A&D DP-9000
¥158,000(1987年10月頃)
解説
CDプレイヤーのあるべき姿を追求し、極限の精度で音楽信号を再現し、徹底的に高音質高品質を求めて開発されたCDプレイヤー。
無振動・無共振を追求するため、徹底した高剛性設計が施されています。
DP-9000では、シャーシ、側板取付部、メカニズム取付部をアルミダイキャストで一体成型しており、さらにハニカム構造を採用することで剛性を一段と高めています。
さらに、天板には3.2mm厚3kg銅メッキ鋼板、側板には18mm厚スターウッド材、ペデスタルの材質にはセラミックを採用し、不要共振を徹底的に追放しています。
メカニズム部は、リニアトラッキングメカニズムやシャーシやトレイ、ブラシレス・スピンドルモーターをアルミダイキャスト製とし、剛性を高めています。
デジタル回路とアナログ回路の相互干渉を防止するため、アナログとデジタルを電源部から回路基板に至るまで完全にセパレート化しています。
さらに、DP-9000ではアナログ用にトロイダルコア・トランスを、デジタル用に大型コアトランスを採用した2トランス電源とし、これによって電源を介してのノイズ干渉を徹底排除しています。
また、アナログ基板は銅メッキ鋼板のシールドケースで分離しており、デジタル回路基板は両面基板を採用し、不要輻射低減のためにシールドを強化しています。
デジタル回路には、4倍オーバーサンプリング18ビット精度266次デジタルフィルターを搭載しており、サンプリング周波数を4倍に引き上げ、サンプリングノイズを除去しています。さらにこのフィルターの採用により、D/A変換後の急峻な減衰特性の高次アナログフィルターの使用を避け、音質面で優れた3次GICアナログフィルターを使用しています。
D/A変換部には左右独立構成のD/Aコンバーターを採用しており、左右チャンネル間の位相差を排除ししています。また、このD/Aコンバーターは、グリッチレス高速D/Aコンバーターなため、特有のグリッチ(スパイクノイズ)を追放しています。
アナログ回路系の最終段に位置する出力アンプには、カップリングコンデンサを排除したDCサーボ搭載ディスクリート構成DCアンプを採用しています。
オーディオ用電解コンデンサーをはじめ、あらゆるパーツにオーディオ用に開発されたパーツを採用しています。
メカニズム部には、A&Dの振動解析技術を駆使して開発した垂直装着方式ディスクサイズ・スタビライズド・クランパーを搭載しています。ディスクの内周と外周をクランプすることでディスク自身の不要振動を抑え、音質劣化を抑えています。また、モーターにはセンタリング機構付ブラシレス・スピンドルモーターを採用しています。
ディスク面についた傷や埃により、音飛びやトラック飛びといった問題が生じるのを防ぐため、独自のAサーボシステムを搭載しています。
Aサーボシステムは、定常時、外部振動検出時、ディスク面傷検出時の3つの状態に対応し、サーボゲインを自動的にコントロールします。
オプティカルと同軸の2種類のデジタル出力を搭載しています。
また、デジタルon/offスイッチを搭載しており、アナログ出力時の干渉を防止しています。
プログラム選曲やダイレクト選曲、リピート演奏などの機能を搭載しています。
6系統のフォトカプラーによる光アイソレーションを採用しています。
極性表示付のφ7.5OFC無酸素銅キャプタイヤACコードを採用しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 3ビームレーザーピックアップ |
複合化 | 16ビットリニア |
エラー訂正方式 | クロスインターリーブ・リードソロモン |
チャンネル数 | 2チャンネル |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.3dB |
ダイナミックレンジ(EIAJ) | 97dB以上 |
S/N比(EIAJ) | 106dB以上 |
全高調波歪率(EIAJ) | 0.0025%以下 |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
アナログ出力レベル | 2V(0dB) |
デジタル出力 | 同軸:0.5Vp-p/75Ω 光:-20dBm~-15dBm、波長660nm |
ヘッドホン出力/インピーダンス | 28mW/32Ω |
スピンドルモーター | ブラシレスDDモーター |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 22W |
外形寸法 | 幅460x高さ112x奥行330mm |
重量 | 13.6kg |
付属:ワイヤレスリモコン DP-9000 | |
方式 | 赤外線パルス方式 |
使用乾電池 | 単3型x2(DC3V) |