オーディオの足跡

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XK-009の画像
 解説 

アナログデッキの究極を追求し、マスターの数値を目指したリファレンスモデルのカセットデッキ。

カセットハーフの振動を低減するためA・M・T・S(Anti Modulation Tape Stabilizer)を搭載しています。
A・M・T・Sでは、カセットボックスを非磁性のアルミ板と音質上十分に吟味された無反発性特殊ゴムの二層構造とし、ハーフ本体を約1kgの圧力で精密かつ確実に圧着固定しています。これにより、変調ノイズやテープ走行ノイズを大幅に低減しています。

メカニズム部にはスーパースタビライズド・テンションデュアルキャプスタンメカニズムを搭載しています。
このメカニズムでは、2基のキャプスタンにより巻き始めから巻き終りまで常に一定のテープテンションを保っています。さらに、テイクアップ側のキャプスタンにはアイワ独自のマイクロ・グレインプロセシング処理を採用し、キャプスタン表面に微細な粒状加工を行うことで、テープスリップを防止するとともに、テープやキャプスタン自体の劣化を軽減しています。
また、2基のキャプスタンのシャフト径を変えている周波数分離型デュアル・キャプスタンを採用することで、周波数の重なりを無くし、共鳴を防止しています。

3モーター構成を採用しており、FF/REW用に1基、キャプスタン用に1基、録再時の巻取り用に1基それぞれ専用のモーターを搭載しています。さらに、巻取り専用モーターは音質を向上させるためにベルトドライブ駆動を採用しており、FF/REWを教養させる方式で発生していたコギングからも解放されています。
また、亜鉛ダイキャスト製重量級フライホイールに高精度加工を施し、さらに1個ずつダイナミックバランスをとったうえで搭載することで、優れた特性を実現しています。

ヘッドブロックには30gの重量級亜鉛ダイキャスト製ヘッドブロックを採用しています。これにより微細なヘッド振動を抑え込む事により変調ノイズの低減を図っています。さらに、ヘッドブロックにはバイアスシールドをセットし、録音ヘッドワイヤーから再生ヘッドワイヤーへのバイアス漏れや信号漏れを抑えています。

録音・再生ヘッドには飽和磁束密度、透磁率、耐摩耗性などに優れたアモルファスヘッドを採用しています。さらに、ヘッドの巻線には純度99.997%、酸素含有量5ppm以下のPC-OCCを採用しています。
さらに、ヘッド形状にはコンター効果を十分留意したアイワ独自の設計を採用しており、低域のあばれを抑えています。

デュアルキャプスタンメカニズムでは、シングルキャプスタンに比べて高いテープテンションが一定してかかるため、テープとヘッドの密着度が高まります。このため消去ヘッドに通常のフェライト材を使用すると、フェライト材の保磁力=Hc(0.1~0.15)に伴う自発磁化作用で、テープ信号の高域劣化を引き起こします。このため消去ヘッドには、Hcが0.007~0.02と低いセンダストヘッドを使用しています。

ノイズリダクションシステムとして、ドルビーB/Cタイプをデュアルで搭載し、さらにdbxも搭載しています。

高域のダイナミックレンジや周波数特性を改善するドルビーHXプロを搭載しています。
ドルビーHXプロでは、高域信号に合わせてバイアス量を1/1000秒単位で最適状態に可変させて録音することで、特性を改善しています。
また、ドルビーHXプロの回路をディスクリート構成とすることで、使用するヘッドに合わせて最適な回路定数を1点1点選択し、さらなる高音質化を図っています。

PC-OCC巻線使用の再生ヘッドと再生アンプはPC-OCCワイヤでダイレクトに接続しており、音質劣化の要因となるコネクタやカップリングコンデンサをはじめ、高域での位相ズレをもたらすピーキングコンデンサを完全に排除しています。
さらに、増幅素子には専用に開発された低雑音・低歪率・高耐圧・高スルーレートDC構成アンプを採用しています。高精度イコライザ素子などと相まって、ダイナミックレンジの拡大や高音質化を実現しています。

電源部にはロジック系と信号系にそれぞれ独立した大容量電源トランスを採用しています。ロジック系のデジタル信号と信号系のアナログ信号を完全に分離し、デジタル系からアナログ系への信号漏れや悪影響を抑えています。
また、トランス自体もエポキシ系充填材で固めた防振設計とし、さらにトランスを本体外部へセットすることで、電源トランスが発生させるフラックスや微振動がテープヘッドや信号系に与える悪影響を排除しています。

メカロジック系、ディスプレイ系、信号系のプリント基板をそれぞれ独立させ、十分な間隔を置いて設置した独立分離構造を採用しています。
メカロジック系とディスプレイ系はそれぞれ内部シャーシで隔離させ、信号系への干渉を排除しています。さらに、録音系と再生系も完全分離させ、録音系信号や録音時の高周波バイアスなどからの再生系への影響を防いでいます。

音質劣化の原因となる、電子スイッチや切換回路、コネクタ、プリントパターンの引き回しを極力排除することで、シンプルでストレートな信号伝送を図っています。
また、スルーポジション付きMPX回路や演奏時オープンタイプ・ミューティング回路など、OFF時に音質劣化を生じさせない伝送メカニズムを搭載しています。

本体底部には独自構造のインシュレーターを装備し、側面にはサイドウッドを装備することで、共振防止を図っています。
また、天板と底板には防振材を使用し、さらに再生基板は専用ホルダー2本とフランジ付き特殊ビス6本でしっかりと固定しています。

マニュアルキャリブレーションを搭載しています。さらに、内蔵された発振器は400Hzと10kHzに設定されているため、よりワイドな周波数特性の調整が可能です。
さらに、キャリブレーション時にはレベルメーターが0.5dBステップに拡大されるため、高精度なキャリブレーションが行えます。

録音ソースのタイプやテープに合わせ、3段階の録音イコライザを設定することが可能です。
Highでは低域MOL(Maximum Output Level)を重視し、Normは標準設定、Lowは高域MOLを重視しています。

リニア・カウンターを搭載しており、左右のリール台からのパルスを高速演算してテープ走行両を分秒単位でデジタル表示できます。全走行モードで表示ができます。
録音時には、テープエンド3分前(C-60使用時)より点滅して知らせるプリエンドウインカーを搭載しています。

PC-OCC巻線や低歪率コアを使用したMPXフィルターとバイアストラップフィルターを採用しています。

24セグメントx2chのピークホールド付きピークメーターを搭載しています。
このメーターはAuto/Manual Resetが可能です。

セパレーションやクロストーク特性に優れ、左右連動誤差や音質劣化の少ないディテント型録音ボリュームを採用しています。

70ミクロン銅箔プリント基板を採用しています。

OFC材を用いた極性表示付きACコードを採用しています。

入出力端子やヘッドホン端子には金メッキ端子が採用されています。

特殊三層構造により、聴感歪を低減させたメタライズドポリエステルフィルムコンデンサを採用しています。

OFC放熱板を採用しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 ステレオカセットデッキ
ヘッド 再生:PC-OCC巻線ピュア・アモルファスヘッド
録音:PC-OCC巻線ピュア・アモルファスヘッド
消去:ダブルギャップセンダストヘッド
モーター キャプスタン用:システムサーボモーター
再生/録音巻取り用:DCモーター
FF/RWD専用:DCモーター
ワウフラッター 0.018%(W・Peak)
±0.035%(WRMS)
周波数特性
(-20dB録音/0dB録音)
ノーマル:20Hz~20kHz ±3dB/20Hz~12kHz ±3dB
CrO2:20Hz~21kHz ±3dB/20Hz~15kHz ±3dB
メタル:20Hz~22kHz ±3dB/20Hz~18kHz ±3dB
SN比(ピークレベル) 75dB(Dolby C type on、メタルテープ)
95dB(dbx-NR on、メタルテープ)
外形寸法 幅469x高さ136x奥行432.7mm
重量 10.2kg
付属 LC-OFC金メッキピンコードx2
リモートコントローラー