AIWA CS-85X
¥79,800(1980年頃)
解説
クイックリバース機構を搭載しメタルテープに対応したラジオカセット。
クイックリバース機構をラジオカセットに採用する事で長時間留守録などに対応しています。
オートリバース機構はテープが終わると自動的にテープ走行が逆になり、カセットテープを裏返さなくても往復の録音・再生が楽しめます。しかし、音質が良くテープ反転時の音切れを無くするのは難問とされていました。
CS-85Xではダブルキャプスタン方式や録再ヘッド180゜回転方式、赤外線テープセンサーを採用する事でこの問題を解消し、磁気テープの終わりと検知して反転まで約0.4秒を実現しています。これにより音切れを気にすることなく安定した音質で長時間の録音・再生が楽しめます。
さらに操作部はタッチセンサーコントロールとなっており、軽快な操作を実現しています。
メカニズム部には正転・反転のそれぞれに専用キャプスタンを設けたダブルキャプスタン方式を採用しています。さらに、録再ヘッド180゜回転方式によって往復とも同一の録音・再生特性を実現しています。
オートリバースではリーダーテープ部分の音の空白が問題となります。
CS-85Xで採用された赤外線テープセンサーは磁気テープの終わりを検知する事で素早く反転機構を動作させています。なお、巻始めで誤動作を防ぐため、スタートから10数秒はクリックリバースが動作しないようになっています。
また、テープの種類によってはクイックリバースが働かない場合がありますが、この場合でもエンドリバースが働きます。
走行モードを3種類に切換えられるディレクションモード機能を搭載しています。
片道走行の録音・再生、1往復のA/B面録音・再生、A/B面の連続繰り返し再生と1往復録音の3種類が選択できます。
クイックリバースボタンを搭載しています。
折れ目などが酷いテープの場合にその部分でクイックリバースが動作する事があります。これを防止するためにボタンでクイックリバースをOFFにできます。
この場合はカセットテープのテープエンドで反転するエンドリバースとなります。
メカニズムは専用モーターによるモーターシフト、メカロジック方式を採用しています。これによりストローク約2.5mmの軽い操作で動作させられます。
操作ボタンは左右2方向のプレイボタンを装備しており、どのテープ状態からでもワンタッチで録音・再生が楽しめます。また、キュー/レビュー、後追い録音、留守録音、ポーズもこの機構に組み込む事で操作性を向上させています。
操作モードはすべてLEDインジケーターで表示されます。
ALC(自動音量調整)に加えてマニュアル録音を採用しており、大型VUメーターを監視しながら左右独立つまみでクオリティの高い録音が可能です。
テープセレクターを搭載しており、メタル/CrO2/LH・ノーマルテープの各専用ポジションが選べます。
操作はバイアスとイコライザーが同時に切換えられるワンレバー方式をシア用しています。
録再ヘッドには飽和磁束密度の高いセンダストガード(SG)ヘッドを、消去ヘッドにはセンダストダブルギャップ(SE)ヘッドを採用しています。
アンプ部にはITL-OTLのBTL回路を採用しています。
スピーカーは2ウェイ方式で16cmコーン型ウーファーと5cmコーン型ツィーターを搭載しています。
それぞれのユニットはアルミキャップを装備する事で高域特性の改善を図っています。
FMチューナー部のフロントエンド部には3連バリコンや高性能トランジスタ、FETなどの採用で安定した受信を可能にしています。
また、IF段には選択度が優れた2素子セラミックフィルターや高性能検波回路、MPX回路にはPLL-ICを採用しています。
マイクボリュームを備えた録音・再生ミキシング機構を搭載しています。
フォノイコライザー回路を内蔵しており、レコードプレイヤーをダイレクト接続できます。
ステレオ機器にデッキとして接続できるラインイン/ラインアウト端子を搭載しています。
外部スピーカー端子を搭載しており、別売りのスピーカーが接続できます。
4ウェイ大型2連VUメーターを搭載しています。
このメーターは入力レベル、出力レベルの他にチューニングメーターやバッテリーチェッカーの機能も兼ねています。
タイマースタンバイ機構を搭載しており、留守録音や目覚まし再生に活用できます。
ワンアクションでテープストップとイジェクトを同時に行うエアダンプイジェクト機構を採用しています。
後追い労音機構を搭載しており、再生中から即録音にストップボタンを押さずに切換えられます。
テープが終わるとメカニズムが停止するフルオートストップ機構を搭載しています。
テープ終了と同時に電源が自動的に切れるスリープスイッチを投資あいsています。
バス、トレブルの音質調整機能を搭載しています。
AFCスイッチを搭載しており、FM放送を安定受信できます。
機種の定格
型式 | ラジオカセット |
<ラジオ部> | |
受信周波数 | FM:76MHz~90MHz AM:525kHz~1,605kHz |
アンテナ | FM:ホイップアンテナ AM:フェライトバーアンテナ |
<テープレコーダー、共通部> | |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ方式 |
録音方式 | 交流バイアス |
消去方式 | 交流消去 |
使用テープ | C-30、C-60、C-90(C-120) |
録音時間 | 60分(C-60往復) |
周波数特性 | 50Hz~12.5kHz(LHテープ) 50Hz~13kHz(CrO2テープ) 50Hz~14kHz(Metalテープ) |
S/N比 | 54dB(Line out(JIS)) |
ワウフラッター | 0.07%(WRMS) |
マイク | 内蔵コンデンサーマイクロホンx2 |
実用最大出力 | 総合12W(6.0W+6.0W、EIAJ/DC) |
入力端子 | Micジャック:3.5φミニタイプx2 Phono/Line inジャック:ピンタイプx2 Mixing Micジャック:3.5φミニタイプ |
出力端子 | Line outジャック:ピンタイプx2 EXT.SPジャック:3.5φミニタイプx2 Phonesジャック:6.3φ標準ジャック |
スピーカー | 低域用:16cmコーン型x2 高域用:5.0cmコーン型x2 |
使用半導体 | IC:9個 トランジスタ:67個 ダイオード:37個 LED:8個 FET:1個 |
電源 | AC電源:AC100V、50Hz/60Hz 電池電源:DC12V(単1電池x8) カーバッテリー(カーアダプター併用) |
消費電力 | 20W(AC時) |
電池持続時間 | 約8時間(EIAJ、乾電池SUM-1使用時) |
外形寸法 | 幅557x高さ332x奥行170mm |
重量 | 8.4kg(電池含む) |
付属 | ACコード 消去プラグx1 |
別売 | カーアダプター DC-121(¥4,000) |