ADCOM GFA-1
¥160,000(1980年頃)
解説
コンパクトでハイパワーアンプを実現したステレオパワーアンプ。
増幅回路にはBallanced Twin Amp Drive方式を採用しています。
この方式では一つのチャンネルにポジティブアンプとネガティブアンプの2つのアンプを内蔵し、一方のアンプが信号の正の部分を、もう一方が負の部分を増幅しており、正と負の出力信号は共に独立してスピーカーに送られる入力から出力までフルコンプリメンタリー構成によるシンメトリカル回路となっています。
これにより単に巨大出力を可能にしただけでなく、動的歪として知られるTIM歪やSID歪も大幅に減少させています。
電源部には直径175mm、高さ45mmのトロイダルトランスを採用しています。
GFA-1のトロイダルトランスは内部を独立ワインディングとし、左右それぞれのチャンネルのBallanced Twin Amp Drive回路の正側と負側に独立して給電しています。
冷却機構には特殊な串状フィンを持ったヒートシンクを採用しています。
GFA-1ではフロントパネル中央とリアパネルに通風窓を設け、この前後の通風窓を結ぶようにトンネル状となっています。そして上部に2列にわたってパワートランジスタが配置されています。このヒートシンクの形状はパワートランジスタの発熱による熱空気の通貨スピードを各ポイントで測定した結果を基にして設計されたもので、空気移動の最速空間に放熱フィンを広げるように設計された高効率タイプとなっています。
さらに、リアパネルの裏側中央に5枚羽根のクーリングファンを備えており、強制空冷を行っています。ファンは静粛回転とする事でノイズを抑えるとともに、フィン形状についても無用な風切り音が出ないよう配慮されています。
電子式カレントリミッター回路を搭載しており、出力インピーダンスが2Ω以下の場合に過剰電流が負荷へ流れ込むことを防止しています。
また、万一パワートランジスタが異常にヒートした場合に速やかに電流供給をストップするサーマルセンシングリレー、有害なDC成分が入力された場合に出力を遮断する高速リレー回路など、保護機能を搭載しています。
金メッキ入力端子を採用しています。
ON状態を示すLEDパイロットランプを装備しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 200W+200W(8Ω、両ch駆動、20Hz~20kHz) 400W+400W(4Ω、両ch駆動、20Hz~20kHz) |
高調波歪率 | 0.015%(1W出力、20Hz~20kHz、8Ω) 0.025%(1kHz、フルパワー再生時) |
ダンピングファクター | 200(100Hz時) 60(20Hz~20kHz) |
スルーレート | 80V/μsec |
入力感度 | 1.5V |
入力インピーダンス | 50kΩ |
S/N比 | 106dB |
その他 | オーバーロードプロテクション サーマルセンシングリレー 強制空冷ウィスパーファン |
外形寸法 | 幅222x高さ165x奥行274mm |
重量 | 10.2kg |