オーディオの足跡

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DP-75の画像
 解説 

高級セパレート型CDプレイヤーの開発技術によって生まれたCDプレイヤー。

D/A変換部にはMMB(Multiple Multi-Bit)方式D/Aコンバーターを搭載しています。
この方式では20ビットD/Aコンバーターを8個並列駆動させる事で大幅な性能改善を図っています。8倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターの高速出力をパラレルに各コンバーターに入力し、D/A変換された直後の高速状態で精密に加算します。
MMB方式の並列駆動は単純な並列接続ではなく、一個一個がそれぞれ独立した動作をしているため、特に高い周波数での位相の管理が重要となります。DP-75ではコンバーター素子を厳選し、配置・配線パターンの相似性を高める事で理想的な位相の一致を実現しています。

ウルトラジッターフリーPLL回路を採用しています。
DAI(Digital Audio Interface)信号に同期させてD/Aコンバーターを動作させるにはPLL回路によってシステムの基準となるマスタークロックを抽出します。DAI信号にジッターやパルス伝送歪があると、PLL回路から抽出したマスタークロックもそれらの影響を大きく受けた信号となってしまします。
ウルトラジッターフリーPLL回路ではプリアンブル検出回路とVCOに水晶発振子を用いています。パルス伝送歪は伝送する信号が0と1の間をランダムに変動するために発生します。しかし常に一定間隔かつ一定レベルで発生するプリアンブル信号(L/R信号の先頭を示すマーカー)は、パルス伝送歪の影響を全く受けません。そこで、この回路ではDAI信号の中からプリアンブル信号だけを検出してPLL回路に入力する事によってマスタークロックからパルス伝送歪の影響を排除しています。また、プリアンブル信号に含まれるジッターに関してはVCOに水晶発振子を用いてロックイン・レンジ(同期する周波数範囲)を非常に狭く設定し、ループ・フィルター定数を最適化することで対処しています。

入力されたデジタル信号の周波数を任意の周波数に変換するSFC(Sampling Frequency Converter)を搭載しています。
DP-75ではサンプリング周波数を一度高い周波数にアップコンバージョンし、48kHz/20bitレベル1でリサンプルして変換します。この回路は水晶発振子による非常に正確な周波数で変換しているため、ジッターフリー回路としても良い結果が得られます。
この回路を用いる事で、どのような入力信号も高精度で高いサンプリング周波数に変換してからD/Aコンバーターを動作させる事で、DP-75のD/Aコンバーターの能力を最大限発揮する事が可能となっています。

デジタル入力端子はオプティカル3系統と同軸3系統を装備しています。
オプティカル入力には150MBPSの伝送能力を持つSTタイプのHPC超高速リンク、同軸入力にはBNCコネクターも設けられています。
さらにデジタルレコーダーも接続可能となっており、その入出力にはトスリンクと同軸RCAの2系統を備えています。

48kHz/20bitのデジタル出力端子を搭載しています。
入力された全てのデジタル信号をSFCに変換し、サンプリング周波数48kHz/20bit、レベル1の高精度デジタル信号としてこの端子から出力できます。また、デジタルボリューム処理も行われるため、この出力を用いる事でデジタルプリアンプとしても使用が可能です。

デジタル方式のレベルコントロールを搭載しています。
4ビットの余裕を持った20ビットMMB方式D/Aコンバーターによってデジタル雑音の発生を抑え、正確な音量調整(最大-40dB)を可能にしています。

HP社製の40MBPSの伝送能力を持つオプトカプラーを採用しており、デジタル部とアナログ部を静電的・電磁的に分離しています。

アナログフィルターにはGIC3次アナログフィルターを採用しています。

CDメカニズムのコントロールにはデジタル方式を採用しています。
デジタルによるコントロールはアダプティブフィルターの採用が可能となり、ディスク毎にサーボ回路の最適設定が可能です。これによりコントロールが安定し、エラーを大幅に低減しています。さらに周囲温度の影響が無くなるため、信頼性が向上し、性能の均一化など動作の安定化が図られています。

ピックアップ部は小型軽量RFアンプをフォト・ディテクターに取り付ける事で、増幅された信号を送り出す設計となっています。これにより雑音による妨害を抑えています。

スピンドル、スレッド、フォーカス、トラック、トレイの各アクチュエーターに流れるドライブ電流には2つのアンプで駆動するバランス駆動回路を採用しています。
これによりアースに電流が流れるのを防ぎ、他の回路から分離する事でそれぞれの干渉を防止しています。

シャーシ機構には8mm厚のアルミパネルを、フロントパネルには15mm厚のアルミを採用しており、剛性を高める事で外部振動の影響を低減しています。
また、内部構造のシンメトリカルな重量配分にも注意を払う事で高い機械的安定度を得ています。

ドライブ・ユニットにはトレイ・ロック機構を装備しており、再生中はトレイをロックしています。
これにより再生中にトレイが回転機構から外れて共振を起こし、信号を劣化させるのを防いでいます。

リモートコマンダーRC-13が付属しています。
このRC-13では入力切換、ダイレクトプレイ、リピート、プログラムに加え、ディスプレイの明るさを調整するディマー機能も搭載しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
<プレイヤー部>
フォーマット CD標準フォーマット
量子化数:16ビット
サンプリング周波数:44.1kHz
エラー訂正方式:CIRC
チャンネル数:2チャンネル
回転数:500~200rpm(CLV)
演奏速度:1.2~1.4m/s一定
読取り方式 非接触光学式読取り(半導体レーザー使用)
レーザー GaAlAs(ダブルへテロ・ダイオード)
<デジタルプロセッサー部>
入力フォーマット EIA標準フォーマット
量子化数:16~24ビット直線
サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz(自動検出)
デジタル入力フォーマット・レベル(EIAJ CP-1201) フォーマット:Digital Audio Interface
HPC(Optical):光入力 -30~-10dBm
Optical:光出力 -27~-15dBm
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
デジタル出力フォーマット・レベル(EIAJ CP-1201) フォーマット:Digital Audio Interface
Optical:光出力:-21~-15dBm、発光波長:660nm
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
周波数特性 4.0Hz~20kHz ±0.3dB
D/Aコンバーター MMB方式、20ビット
デジタル・フィルター 20ビット8倍オーバーサンプリング
デジタル・ディエンファシス機能:偏差±0.001dB
全高調波歪率 0.0024%(20Hz~20kHz間)
S/N 120dB
ダイナミックレンジ 98dB
チャンネルセパレーション 110dB
出力電圧/出力インピーダンス Balanced:2.5V/50Ω、平衡XLRタイプ
Unbalanced:2.5V/50Ω、RCAフォノジャック
出力レベルコントロール 0~-40dB間、1dBステップ(デジタル方式)
<総合>
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 27W
外形寸法 幅475x高さ150x奥行390mm
重量 19.3kg
付属:リモート・コマンダー RC-13
リモコン方式 赤外線パルス方式
電源 DC 3V、乾電池UM-4型(IEC呼称 R03)2個使用
最大外形寸法 幅66x高さ204x奥行20mm
重量 250g(乾電池含む)