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DF-45の画像
 解説 

フルデジタル処理によるマルチチャンネルディバイダー。

DF-45では高速演算処理を行うDSPとデジタル技術を組み合わせる事でフルデジタル処理を実現しています。
DSPには40bit浮動小数点演算タイプの素子を採用しており、フィルター機能、位相、ディレイ、レベルコントロールなどを全てデジタル処理しています。これにより温度変化や経年変化が少ない高精度なフィルターを実現しています。

デジタルフィルターには仮数部32bit、指数部8bitの浮動小数点演算タイプDSPを搭載しています。
浮動小数点演算を採用する事で演算誤差を少なくする事が可能となり、ダイナミックレンジの拡大と、96dB/octの急峻なフィルターを実現しています。

フィルターの周波数ポイントは59ポイント内蔵しています。
周波数ポイントは31.5Hz~22.4kHzの間を1/6オクターブ間隔と10/20/290Hzの合計59ポイントとなっています。
また、各ディバイダーユニット内で低域側/高域側のカットオフ周波数を自由に設定させる事ができ、ローパス/バンドパス/ハイパスフィルターを構成する事が可能です。

フィルターの減衰特性は6種類あり、6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct、24dB/oct、48dB/oct、96dB/octから選択できます。
各ユニット内で独立して設定する事が可能となっており、より理想的な特性が実現できます。

タイムアライメントの設定が可能となっています。
複数のスピーカーユニットを使用する際に音源である振動板の前後位置が異なると、耳に到達する時間に差が発生して音に影響を与えます。DF-45ではデジタル信号処理による電気的な遅延によって到達時間差を調整する事が可能です。
調整はcm単位で行えます。

D/A変換部にはMDS++方式のD/Aコンバーターを採用しています。
MDS(Multiple Delta Sigma)方式ではデルタシグマ型D/Aコンバーターを複数個並列接続する事で性能改善を図っています。この方法では並列加算後の全体の出力で変換誤差が相互に打ち消されるため、変換精度やS/N比、ダイナミックレンジ、リニアリティ、高調波歪などの特性を向上させる事が可能です。DF-45では4回路のデルタシグマ型D/Aコンバーターであるアナログデバイセズ社製のAD1955を並列動作させており、コンバーター1回路の場合に比較して性能を2(=√4)倍に向上させています。
MDS++方式ではMDS方式におけるD/AコンバーターのI/V変換回路の動作を改良しており、電流加算と電圧加算を組み合わせる事で電流加算部の負担を軽減しています。これにより回路の安定度が向上し、より高い性能を実現しています。

ディレイ・コンペンセーター機能を搭載しており、信号がフィルター回路を通過する時に生じる遅延を補正する事が可能です。
遅延はフィルター回路の中でローパスフィルターを通過する時が大きく、遅延時間はフィルター回路の周波数が低く、フィルターのスロープが鋭いほど大きくなります。DF-45ではローパスフィルター通過時のみを補正します。
この機能をONにした時には遅延時間の計算結果(理論値)を表示すると共に、遅延時間を自動的にディレイ補正します(初期設定)。また、OFFの時は計算結果を参考にしてユーザーが自由にディレイ値を設定できます。

DF-45では4チャンネル(4way)のユニットを装備しています。
アウトプット機能を搭載しており、各チャンネルの出力はON/OFF可能となっています。また、OFF設定では文字やLED類も全消灯が可能です。

各チャンネルの位相を4パターン設定可能なPhase機能を搭載しています。

デジタルアッテネーターを装備しており、-40.0dB~+12.0dBの範囲で0.1dBステップの精密なレベル調整が可能です。

メモリー機能を搭載しており、各チャンネルに設定した全機能を5種類保存/呼び出し可能です。

設定機能のセーフティロックが可能となっており、不用意に設定変更ができないように配慮されています。

ボリュームデータの無いデジタル信号が入力された場合に対応するため、スピーカーを保護するフルレベル出力保護機能を装備しています。
この機能が動作している際は出力レベルが-40.0dBとなります。

デジタル入力は同軸、光、HS-Link端子を装備しています。
また、アナログ端子についてもバランスとアンバランスの両方を装備しています。

アナログATT機能を搭載しており、中高音域に高効率スピーカーを使用している際に特定のチャンネルの残留ノイズを少なくする事が可能です。
ON時はー10dBとなります。

ディスプレイへの文字表示や独自の文字入力・編集が可能です。
登録文字入力または97文字から8文字を組み合わせて入力が行えます。

サブウーファー(3D)方式へ切替が可能です。
チャンネルAのみ切替スイッチを装備しています。

各チャンネルのアナログ出力にはバランス回路を採用しています。

DF-45を複数使用する事で5way以上に拡張する事も可能です。

機種の定格
型式 チャンネル・ディバイダー
内蔵のカットオフ周波数 59ポイント
10、20、31.5、35.5、40、45、50、56、63、71、80、90、100、112、125、140、160、180
200、224、250、280、290、315、355、400、500、560、630、710、800、900、1k、1.12k
1.25k、1.4k、1.6k、1.8k、2k、2.24k、2.5k、2.8k、3.15k、3.55k、4k、5k、5.6k、6.3k
7.1k、8k、9k、10k、11.2k、12.5k、14k、16k、18k、20k、22.4k
デジタル入力 Coaxial フォーマット:EIAJ CP-1201/AES 3準拠
Optical フォーマット:EIAJ CP-1201準拠
 サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz
HS-Link:コネクター RJ-45(専用適合ケーブル)
 サンプリング周波数:176.4kHz、192kHz
デジタル出力 Coaxial フォーマット:EIAJ CP-1201準拠
 レベル:0.5Vp-p/75Ω
周波数特性 2.0~44kHz +0 -3dB
D/Aコンバーター 24bit、MDS++方式
全高調波歪率 0.001%(20Hz~20kHz)
S/N比 Coaxial/Optical:114dB
HS-Link:116dB
アナログ入力:112dB
ダイナミックレンジ アナログATT off時:112dB
アナログATT on時:109dB
チャンネルセパレーション 108dB(20Hz~20kHz)
スロープ特性 6dB/oct、12dB/oct、18dB/oct、24dB/oct、48dB/oct、96dB/oct
※カットオフ周波数が10Hz/20Hzの時は6dB/oct、12dB/oct、18dB/octのみ
ディレイ(距離に換算) 0~3,000cm(1cmステップ)
レベル調整 アナログATT off時:-40dB~+12.0dB、0.1dBステップ
アナログATT on時:-50dB~+2.0dB、0.1dBステップ
出力レベル/インピーダンス Balanced:2.5V/50Ω、平衡XLRタイプ
Unbalanced:2.5V/50Ω、RCAジャック
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 36W
最大外形寸法 幅465x高さ150.6x奥行395.8mm
重量 14.1kg
付属 電源ケーブル