Accuphase C-17
¥195,000(1984年9月発売)
解説
カートリッジの個性をストレートに伝達することを目指して開発されたMCヘッドアンプ。
C-17は全増幅段をカスコード・プッシュプル増幅回路で構成していいます。
カスコード接続は、2個の素子を接続しあたかも1個の素子のように動作させたもので、素子の内部におけるフィードバックがほとんどなく、雑音の発生が少なく、低い周波数から高い周波数にわたって直線性が良いという特徴をもってます。
これをプッシュプルに構成することにより、歪、雑音、周波数特性に優れた増幅器となっています。
さらに、これらの回路を左右独立のアルミハウジングに収納し、誘導ノイズと振動による共振を防止しています。
徹底した低雑音化を行っており、低雑音素子の採用や、差動入力回路で発生する雑音に対してNFBループの低インピーダンス化を図っています。
また、DCサーボ回路から発生する雑音の影響を避けるため、差動増幅のマイナス側に直接帰還する方式ではなく、定電流源のベースに帰還することにより、理論限界値のS/Nを実現しています。
電源部は、左右チャンネルに専用の電源トランスを使用しており、モノコンストラクションとなっています。
さらに広帯域にわたって低インピーダンス化を図るために、左右チャンネル専用の定電圧電源を搭載し、この定電圧電源回路の配線経路を最短にするため、増幅回路と同じアルミハウジングに収納しています。
様々なMCカートリッジに対応し、音質を微細にコントロールできるようにするため、MC入力インピーダンスを10Ω、30Ω、100Ωの3段階に切り替えられるように配慮しています。
カートリッジのインピーダンスが3Ω前後では、負荷が10Ωまたは30Ω、10Ωクラスから上の場合は、30Ωまたは100Ωの負荷が適しています。
また、低出力MCカートリッジのために、通常の利得26dBの他に、32dBの高利得を得られるようにゲイン切り替えスイッチを設けています。
機種の定格
型式 | MCヘッドアンプ | ||||||||||||||||
ゲイン | 0dB(MM)、+26dB、+32dB | ||||||||||||||||
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB 2Hz~100kHz +0 -3.0dB |
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最大入力電圧 (1kHz、歪率0.005%) |
+26dBポジション:150mV +32dBポジション:75mV |
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定格入力電圧 | +26dBポジション:0.1mV +32dBポジション:0.05mV |
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定格出力電圧 | 2.0mV | ||||||||||||||||
全高調波歪率 | 0.005%(20Hz~20kHz、最大入力時) | ||||||||||||||||
S/N・入力換算雑音 |
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入力インピーダンス | 10Ω、30Ω、100Ω、切替式 | ||||||||||||||||
出力インピーダンス | 50Ω | ||||||||||||||||
最小負荷インピーダンス | 10kΩ | ||||||||||||||||
使用半導体 | トランジスタ:71個 FET:4個 IC:8個 ダイオード:64個 |
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電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz | ||||||||||||||||
消費電力 | 30W | ||||||||||||||||
外形寸法 | 幅194x高さ142x奥行371mm | ||||||||||||||||
重量 | 8.1kg |