Accuphase AD-2402
¥900,000(1998年12月発売)
解説
96kHz/24bitに対応した業務用A/Dコンバーター。
A/D変換部にはアキュフェーズオリジナルの新開発MDS(Multiple Delta-Sigma、マルチプル⊿Σ)方式を採用しています。
この方式では⊿∑型A/Dコンバーターを複数個並列接続した構造となっており、各A/Dコンバーターには全て同一のアナログ信号を入力し、各A/Dコンバーター出力を加算して全体の出力とする事で諸特性を大幅に改善しています。
⊿∑A/Dコンバーターは、オーバーサンプリングとノイズシェーピングを利用する事で、入力されたアナログ信号の振幅情報を時間軸方向に展開して変換精度を得るA/D変換方式です。しかし、実際のA/D変換の出力では、信号変換出力に変換誤差である高調波歪と雑音が付加されています。MDS出力の信号成分は各A/Dコンバーター出力のn倍となり、変換誤差は統計的計算によって各A/Dコンバーターの変換誤差のルートn倍となります。変換誤差は1/√nになるため、S/Nやダイナミックレンジ、リニアリティ、高調波歪などの各特性を改善できます。
AD-2402では4回路の⊿∑A/Dコンバーターを並列動作させており、コンバーター1回路の場合と比較して全体の性能は2(=√4)倍に向上します。
23ビットを超える小信号リニアリティを実現しています。
64/128倍オーバーサンプリング方式を採用しています。
超高精度直線位相型デシメーション・フィルターを搭載しています。
アナログ部とデジタル部を電気的に完全分離することで回路間の干渉による雑音を排除しています。
44.1k/48k/88.2k/96kHzの4種類のサンプリング周波数に対応しています。
また、16/20/24bitの3種類の出力ビット数に対応しています。
出力データに4種類のノイズシェーピングの適用が可能です。
DSP(Digital Signal Processor)による超高精度オーバーロード検出を実現しています。
外部同期が可能です。
外部同期動作時には同期信号入力とサンプリング周波数を自動検出します。
AES/EBU、SPDIF、SDIF2の3種類の出力フォーマットに対応しています。
機種の定格
型式 | A/Dコンバーター |
全高調波歪率+雑音(24bit出力、1kHz、0dBFS:フルスケール) | -1dBFS入力:-102dBmax -10dBFS入力:-94dBmax -20dBFS入力:-88dBmax |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(fs=44.1kHz/48kHz) 20Hz~40kHz +0 -0.2dB(fs=88.2kHz/96kHz) |
S/N比(ナイキスト帯域:サンプリング周波数1/2の帯域) | 108dB min(ナイキスト帯域内) 116dB min(聴感補正) |
チャンネルセパレーション | 120dB min(20Hz~20kHz、fs=44.1kHz/48kHz) 120dB min(20Hz~40kHz、fs=88.2kHz/96kHz) |
サンプリング周波数 | 44.1kHz/48.0kHz/88.2kHz/96kHz |
アナログ入力(0dBU=0.775V) | フルスケールレベル 13±0.2dBU(ATT=0dB) 19±0.2dBU(ATT=-6dB) XLRコネクター:2番ホット |
入力インピーダンス | アナログ入力 20kΩ(正相入力 - 逆相入力間) 10kΩ(正相入力・逆相入力間 - GND間) AES/EBU:240Ω SDIF2:75Ω(word clock) |
出力インピーダンス | AES/EBU:110Ω SPDIF:75Ω SDIF2:<5Ω |
出力ビット数 | ビット数:16/20/24bit(切替可能) |
ノイズシェーピング | OFF/1/2/3/4 |
動作温度 | 周囲温度:0~+40℃ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
最大外形寸法 | 幅482.5x高さ47x奥行370mm(全体、脚含む) 1U |
重量 | 5.5kg |