
Accuphase PX-600
¥550,000(2001年4月発売)
解説
マルチチャンネルサラウンド用に開発された6チャンネルパワーアンプ。
PX-600では完全に独立した同一性能のパワーアンプブロックを6個搭載しており、5.1chソフトなどのサラウンド再生に対応しています。
また、2チャンネルずつ3ブロックがそれぞれブリッジ接続可能な設計となっており、ノーマル/ブリッジの任意の組み合わせによって1~6チャンネル仕様の多用途パワーアンプとして活用できます。
出力素子には、周波数特性や電流増幅率リニアリティ、スイッチング等の諸特性に優れ、コレクター損失150W、コレクター電流15Aのパワートランジスタを採用しています。出力段はこの素子を用いたパラレルプッシュプル構成となっており、アルミダイキャスト製ヒートシンクで放熱処理しています。
増幅回路には出力信号を電流の形で帰還するカレントフィードバック増幅回路を採用しています。
この方式は帰還入力部分のインピーダンスが極めて低く、位相回転が発生しにくいため、位相補償の必要が殆どありません。このため少量のNFBで特性を大幅に改善でき、立ち上がり等の動特性に優れたエネルギー応答を実現しています。
電源部には約700VAの大容量トロイダルトランスを採用しています。
トロイダルトランスはドーナツ状のコアに太い銅線を巻くためインピーダンスが低く、小型で変換効率が高いという特長を持っています。PX-600ではスーパーリング型を採用しており、鉄芯の断面が円に近くコイルも円形に近く巻けるため密着性が良くなっており、オーディオ用として優れた特性を持っています。
このトランスは熱伝導に優れ防振効果の高い充填材を用いてケースに固着しており、外部への影響を排除しています。
電源部のフィルターコンデンサには47,000μFの大容量アルミ電解コンデンサーを2個搭載しています。
3個のアナログ式大型パワーメーターを装備しています。
このメーターでは切替で6chのパワー値を直読できます。また、メーターの動作と照明をON/OFFするスイッチも装備しています。
バランス入力端子を装備しています。
機種の定格
型式 | マルチチャンネルパワーアンプ |
定格連続平均出力(20Hz~20kHz間) | 6ch仕様時 4Ω:150W/ch 6Ω:125W/ch 8Ω:100W/ch 3ch仕様時(任意の3ch使用) 4Ω:160W/ch 6Ω:140W/ch 8Ω:120W/ch 3chブリッジ仕様時 6Ω:320W/ch(音楽信号に限る) 8Ω:300W/ch 2ch仕様時(任意の2ch使用) 4Ω:220W/ch 6Ω:160W/ch 8Ω:130W/ch 2chブリッジ仕様時 6Ω:420W/ch(音楽信号に限る) 8Ω:350W/ch |
全高調波歪率 | 6ch仕様時 4Ω:0.15% 6~16Ω:0.1% 3chブリッジ仕様時 6~16Ω:0.05% |
IM歪率 | 0.003% |
周波数特性(全てのチャンネルにおいて) | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格連続出力時) 0.5Hz~160kHz +0 -3.0dB(1W出力時) |
ゲイン(利得、全てのチャンネルにおいて) | 28.0dB |
負荷インピーダンス | 6ch仕様時:4~16Ω 3chブリッジ仕様時:6~16Ω |
ダンピング・ファクター | ノーマル仕様時:100 ブリッジ仕様時:50 |
入力感度(8Ω負荷) | 6ch仕様時 1.12V(定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時) 3chブリッジ仕様時 1.95V(定格連続平均出力時) 2ch仕様時 1.28V(定格連続平均出力時) 3chブリッジ仕様時 2.10V(定格連続平均出力時) |
入力インピーダンス | バランス:40kΩ アンバランス:20kΩ |
S/N(A補正、入力ショート) | 120dB(定格連続平均出力時) |
パワーメーター | -40dB~+3dB対数圧縮型、表示消灯機能付き |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 166W(無入力時) 690W(電気用品安全法) 1,070W(8Ω定格出力時) |
外形寸法 | 幅475x高さ211x奥行459mm |
重量 | 31.2kg |