
Accuphase P-7000
¥980,000(2003年7月発売)
解説
M-8000の設計技術を継承しつつ性能・音質の向上を図ったステレオパワーアンプ。
出力段にはパワートランジスタをチャンネル当たり11ペア用いたパラレルプッシュプル駆動となっています。
素子には諸特性に優れ、コレクター損失150W、コレクター電流15Aのハイパワートランジスタを採用しています。
また、両サイドに配置されたアルミダイキャスト製の大型ヒートシンクによって放熱効果を高め、出力の超低インピーダンス化を図っています。
これにより1Ωの超低インピーダンス負荷までリニアな大出力パワーアンプを実現しています。
入力部にはアキュフェーズ独自のMDC(Multiple Circuit Summing-up)回路を採用しています。
P-7000のMCS回路は入力信号を増幅するユニットを3回路並列化する事で低雑音化を図っており、S/N比や歪率などの諸特性を大幅に向上しています。
増幅方式には出力信号を電流の形で帰還する電流帰還型増幅回路を採用しています。
電流帰還型増幅回路では帰還側の入力インピーダンスを下げて電流を検出し、その電流をI/V変換器で電圧変換して出力信号を作ります。この方式では帰還入力部分のインピーダンスが極めて低いため位相回転が発生しにくく、位相補償の必要が殆ど必要なく、少量のNFBで諸特性を大幅に改善できます。このため立ち上がり等の道徳性に優れ、自然なエネルギー応答を得ることが可能です。
電源部には最大1.5kVAの大電力容量のスーパーリング型大型トロイダルトランスを採用しています。
このトランスは、熱伝導に優れ防振効果の高い充填材を用いて放熱フィン付きダイキャストケースに封入されており、外部への影響を遮断しています。
また、アルミ電解コンデンサーには音質を重視した56,000μFの大容量品を2個搭載しています。
プリント基板にはテフロン基板を採用しています。
テフロン基板は低い比誘電率と小さい誘電正接を持ち、高周波特性が優れ耐熱性も良好という優れた特長を持っています。P-7000では銅箔面に金プレートを施す事でさらなる音質向上を図っています。
また、信号経路の主要部品類も金プレート化しています。
外来誘導雑音の影響を受けにくいバランス入力端子を装備しています。
パワー値を直読できるアナログパワーメーターを装備しています。
太いケーブルにも対応できる大型スピーカー端子を採用しています。
ブリッジ接続により、大出力モノラルパワーアンプとしての使用が可能です。
リアパネルにモード切替スイッチを装備しており、デュアルモノ/ステレオ/ブリッジ接続の切替が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格連続平均出力(20Hz~20kHz) | ステレオ仕様時(両ch同時動作) 1,000W/ch(1Ω、音楽信号に限る) 500W/ch(2Ω) 250W/ch(4Ω) 125W/ch(8Ω) モノラル仕様時(ブリッジ接続) 2,000W(2Ω、音楽信号に限る) 1,000W(4Ω) 500W(8Ω) |
全高調波歪率 | ステレオ仕様時 0.05%(2Ω) 0.03%(4~16Ω) モノラル仕様時:0.03%(4~16Ω) |
IM歪率 | 0.003% |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格連続平均出力時) 0.5Hz~160kHz +0 -3.0dB(1W出力時) |
ゲイン(利得) | 28.0dB(ステレオ/モノラル仕様時共) |
負荷インピーダンス | ステレオ仕様時:2Ω~16Ω モノラル仕様時:4Ω~16Ω ※音楽信号に限りステレオ1Ωとモノラル2Ω負荷可能 |
ダンピングファクター | 300(ステレオ/モノラル仕様時共) |
入力感度(8Ω負荷) | ステレオ仕様時 1.26V(定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時) モノラル仕様時 2.52V(定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時) |
入力インピーダンス | バランス入力:40kΩ アンバランス入力:20kΩ |
S/N(A補正、入力ショート) | 122dB(定格連続平均出力時) |
出力メーター | 対数圧縮型ピークレベル表示、出力のdB/%表示 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 125W(無入力時) 930W(電気用品安全法) 585W(8Ω負荷定格出力時) |
最大外形寸法 | 幅465x高さ258x奥行545mm |
重量 | 49.5kg |