Accuphase P-300S
¥260,000(1977年9月発売)
解説
全増幅段を対称型プッシュプルで構成し、さらにDCユニット・アンプ化や厳選パーツの採用、試聴テストによって測定限界の物理特性を実現したステレオパワーアンプ。
高周波特性の優れた能動素子をベースに、全増幅段を対称型プッシュプルで構成しています。
これにより、少量のNFBで優れた立ち上がり特性や直線性、安定性を実現でき、TIMの発生を防ぐとともに低歪化を実現しています。
カラレーションの少ない音質を実現するためにNFBループ内のコンデンサを取り去りDCアンプ構成としています。
また、DCドリフトを抑えるために電源を一段と安定化し、入力にデュアル・トランジスタを採用してセンター電圧を安定化し、さらに能動素子の温度変化の均一化を図ることで、長期の安定動作を実現しています。
電源部には重量級大型電源トランスと40,000μFx2の大容量フィルターコンデンサーを搭載しています。
また、回路に使用されているパーツ類は、音質変化についての検討や耐久性テストなどをもとに厳選したものを採用しています。
スピーカー保護サーキットを搭載しており、スピーカーコードの短絡やアンプ/スピーカーに異常が発生した時には、スピーカー保護回路が異常をキャッチし、リレーでP-300Sとスピーカー間を遮断します。
また、この回路を利用してアンプの電源をON/OFFした時に発生するショック・ノイズも発生しないように対策が施されています。
レコードの反りや偏心による低域ノイズをカットするため、17Hz以下を18dB/octでカットするサブソニックフィルターを搭載しています。
-20dBまで1dBステップで調整できる左右独立タイプのアッテネーターを搭載しています。
出力直読タイプの大型パワーメーターを搭載しており、出力を0dBと8Ω負荷時のワット数を読み取る事ができます。
また、小音量時でも使えるように-10dB、-20dBのレンジ切り替えスイッチが設けられています。
高能率スピーカーやマルチアンプシステムで必要以上のパワーを制限したい時のために、パワー・リミッター・スイッチを搭載しており、フルパワー、1/2、1/4が選択できます。
別売りで自然木ウォールナット仕上げのウッドケースがありました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力(両ch駆動、 20Hz~20kHz、歪0.03%以下) |
200W/ch(4Ω) 150W/ch(8Ω) 75W/ch(16Ω) |
高調波歪率(20Hz~20kHz) | 0.03%以下(定格出力時) 0.01%以下(-3dB出力時) 0.05%以下(50mW出力時) |
IM歪率 | 0.01%以下(定格出力時) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格出力時) 1Hz~250kHz +0 -3dB(1W出力時) |
ダンピングファクター | 60(8Ω負荷、40Hz) |
定格入力/入力インピーダンス | 1.4V/50kΩ |
S/N比(入力ショート、IHF-Aカーブ) | 115dB以上(定格出力時) |
ステレオ・ヘッドホン | 低出力インピーダンス型 |
サブソニックフィルター | 17Hz、18dB/oct |
パワーリミッター | フル・パワー、1/2、1/4、スイッチ切替え |
使用半導体 | トランジスタ:97個 FET:2個 IC:1個 ダイオード:92個 |
電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 無入力時:100W 8Ω負荷定格出力時:510W |
外形寸法 | 幅445x高さ160(脚含む)x奥行355mm |
重量 | 25kg |
別売 | ウッドケース A-2(¥15,000) |