Kensonic Accuphase P-300
¥195,000(1973年8月発売)
解説
アキュフェーズがケンソニック時代に発表したパワーアンプ一号機。
音楽の微妙な変化や強大な振幅に対しても正しく追従できるアンプを目指し、開発されました。
入力から出力まで全段直結プッシュプルの構成となっています。
このため、NFB(負帰還)をかける前の裸特性が改善されています。
出力段に大出力パワー・トランジスタを各チャンネル6個づつ使用し、これをトリプル・プッシュプルとしています。
回路方式は、ピュア・コンプリメンタリーの直結方式を採用しています。
電源部には40,000μFx2の大容量フィルター・コンデンサーを採用しています。
音質の変化や、耐久性の面からパーツをテストし、厳選して採用しています。
出力端子以後でコードが短絡したり、スピーカーに異常が発生したり、P-300内部で異常が起こると、リレーによって遮断する保護回路を採用しています。
異常発生時には、パワーメーターのランプが点滅し、異常を知らせます。
フォノ・モーターのランブルや超低域のアーム共振で起こる不要入力や、超高音域の不要入力などのノイズ成分をカットするため17Hz以下24kHz以上を18dB/octで取り除くバンドパスフィルターを内蔵しています。
大型パワーメーターを採用しており、0dB、-10dB、-20dBレンジで切替えて表示できます。
8Ω負荷、150Wを0dBとして目盛られています。
4セットのステレオスピーカーを切り換えられるスピーカーセレクタースイッチを搭載しています。また、入力を2系統切替え可能です。
出力端子の1回路、入力端子の1回路をフロント・サブパネル内部に設けています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 (両ch駆動、20Hz~20kHz、歪率0.1%) |
4Ω負荷:200W/ch 8Ω負荷:150W/ch 16Ω負荷:75W/ch |
高調波歪率(20Hz~20kHz) | 定格出力時:0.1%以下 -3dB出力時:0.05%以下 50mW出力時:0.1%以下 |
IM歪率 | 0.1%以下(定格出力時) |
周波数特性(8Ω負荷) | 20Hz~20000Hz +0 -0.2dB |
ダンピングファクター | 20以上(8Ω負荷、20Hz~20kHz間) |
定格入力/入力インピーダンス | 1.0V/100kΩ |
S/N比(定格出力時) | 100dB以上 |
ステレオ・ヘッドホン | 低出力インピーダンス型 |
オーディオ・バンドパス・フィルター | 17Hz以下、24kHz以上、18dB/oct |
パワーリミッター | フル・パワー、1/2、1/4、スイッチ切替え |
使用半導体 | トランジスタ:73個 ダイオード:88個 サーミスタ:2個 IC:1個 |
電源 | 100、117、220、240V/50~60Hz |
消費電力 | 無入力時:100W 8Ω負荷定格出力時:510W |
外形寸法 | 幅445x高さ152x奥行355mm |
重量 | 25kg |