
Accuphase M-6000
¥850,000(1台、2008年3月発売)
解説
パワーアンプユニットを並列動作させる事でより理想的なスピーカー駆動を可能にしたモノラルパワーアンプ。
M-6000では2台の全く同じ回路のパワーアンプユニットを筐体の左右に配置し、並列動作させています。これにより出力電流を大きくすることができ、極めて低出力インピーダンスのパワーアンプを実現しています。また、これによりダンピングファクター500以上を実現しています。
並列動作はパワーMOS-FETの採用とDoubule MCS(Multiple Circuit Summing-up)+回路を搭載する事で可能にしています。
出力段はパワーMOS-FETによる16パラレルプッシュプル構成となっています。
パワーMOS-FETは高周波特性に優れると共に単独で温度変化に対して負の特性を持つ素子で、左右に配置したパワーアンプユニットの温度上昇時の温度バランス・コントロールが容易となり、各ユニットを安定して動作させる事に貢献しています。
増幅回路の入力部にはアキュフェーズ独自のDouble MCS+回路を採用しています。
この方式では入力信号を増幅するユニットを4回路並列接続する事で低雑音化を図っており、S/N比や歪率などの諸特性が大幅に改善されています。また、回路内もカスコードドライブ回路などを多用する事で各パーツの役割分担を明確にして安定した性能を引き出しています。
増幅方式には電流帰還型増幅回路を採用しています。
この方式では出力信号を電流の形で帰還しており、帰還入力部分のインピーダンスが極めて低いため位相回転が発生しにくく、少量のNFBで諸特性を大幅に改善しています。
電源部には900VAの大型トロイダルトランスと大容量フィルターコンデンサ(48,000μFx2)を採用しています。
インスツルメンテーション・アンプ構成を導入しており、アンプ内部の信号経路をフルバランス伝送化しています。
これにより機器内で発生する雑音を除去する能力や低歪率などの諸特性だけでなく、周囲の環境変化に対しても強く、パワーアンプとしての安定度や信頼性を向上しています。
入力回路には完全バランス構成を採用しており、外来誘導雑音を受けにくい構成としています。
プリント基板には低誘電率かつ低損失のテフロン基板を採用しています。
4段階のゲインコントロールを装備しており、残留ノイズを低減できます。
位相切替スイッチを装備しており、正相と逆相の切替が可能です。
メーターにはピークレベル値を表示するアナログ式のパワーメーターを採用しています。
このメーターではピーク値のホールドタイムの切替が可能です。また、メーター回路や照明のON/OFFが可能となっています。
出力端子にはYラグやバナナプラグに対応した大型スピーカー端子を採用しています。
M-6000を2台用いてブリッジ接続する事でさらに強力なモノラルアンプとして使用する事ができます。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
定格連続平均出力(20Hz~20kHz間) | 1,200W(1Ω、音楽信号に限る) 600W(2Ω) 300W(4Ω) 150W(8Ω) ※ブリッジ接続時(2台使用) 2,400W(2Ω、音楽信号に限る) 1,200W(4Ω) 600W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.05%(2Ω負荷) 0.03%(4~16Ω負荷) |
IM歪率 | 0.01% |
周波数特性 | 定格連続平均出力時:20Hz~20kHz +0 -0.2dB 1W出力時:0.5Hz~150kHz +0 -3.0dB |
ゲイン(利得) | 28.0dB(Gainスイッチmax時) |
ゲイン切替 | Max、-3dB、-6dB、-12dB |
負荷インピーダンス | 連続出力時:2Ω~16Ω 音楽信号時:1Ω~16Ω |
ダンピングファクター | 500 |
入力感度(8Ω負荷) | 1.38V(定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時) |
入力インピーダンス | バランス:40kΩ アンバランス:20kΩ |
S/N(A-補正) | 120dB(入力ショート、定格連続平均出力時) |
出力メーター | -60dB~+3dB(dB/%表示) 対数圧縮型、表示消灯機能付き ピーク値ホールドタイム:3秒、無限(切替式) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 180W(無入力時) 550W(電気用品安全法) 375W(8Ω定格出力時) |
外形寸法 | 幅465x高さ220x奥行500mm |
重量 | 38.5kg |