
Accuphase E-560
¥600,000(2009年11月発売)
解説
E-550の後継機として開発されたインテグレーテッドアンプ。
ボリューム部にはAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)方式ボリュームコントロールを採用しています。
AAVA方式では、まず入力された音楽信号をCPU(マイクロプロセッサー)によって制御されたV-I変換アンプで16種類の重み付けされた電流に変換します。そして、16種類の電流はそれぞれ16個の電流スイッチによってON/OFFされ、その組み合わせで音量を決定しています。これらの電流の合成が音楽信号の大きさを変える音量調整回路(Variable Gain Circuit)となり、最後に各電流はI-V変換アンプで電圧に戻します。
この方式のボリュームは電流の組み合わせによって65,536(2の16乗)段階の調整が可能です。また、インピーダンス変化などの影響を受けないため実使用音量レベルでのノイズの増加が無く、高S/N比や周波数特性を維持する事が可能です。しかも左右チャンネルを完全に独立させることができるため、微少レベルでも左右の音量誤差が殆ど無く、チャンネル間のクロストークも殆どありません。さらに、左右の音量バランスやアッテネーターもAAVAで行っているため余分な回路を通す必要が無く、回路のシンプル化によって音質劣化を防いでいます。
操作感覚は従来のボリュームと同じ感覚で行えます。また、ボリューム値はディスプレイ部に数値で表示されます。
AAVAの雑音を左右する入力バッファーアンプには高性能アンプを5個並列接続しており、高S/N比を計っています。
パワーアンプ部には最新のインスツルメンテーションアンプ方式を採用して信号経路をバランス伝送化しており、MCS+回路やカレントフィードバック増幅回路を搭載して電気的性能のさらなる向上を図っています。
出力素子にはパワーMOS-FETを採用しており、チャンネル当たり3パラレルプッシュプルで構成されています。
電源部には大型トロイダルトランスと大容量フィルターコンデンサーを搭載しています。
トーンコントロール部には音質を重視して加算型アクティブフィルター方式のトーンコントロールを採用しています。
また、低音域の量感を増すコンペンセーター機能も搭載しています。
入力切替には音質と長期安定性に優れたロジックリレーコントロールによる信号切替方式を採用しています。
各入力ポジションに対応した位相設定が可能です。
バランス入力端子を2系統装備しています。
出力端子には2系統の大型スピーカー端子を採用しています。
この端子はYラグやバナナプラグに対応sいています。
ヘッドホン用に音質を重視した専用ヘッドホンアンプ回路を内蔵しています。
EXT PREボタンとプリアンプ出力/パワーアンプ入力端子を装備しており、プリアンプ部とパワーアンプ部を単独使用できます。
また、このプリアンプ出力を利用し、外部パワーアンプを組み合わせる事でバイアンプ駆動が可能です。
出力電力をモニターできるアナログ式ピークパワーメーターを搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンでは音量調整と入力セレクターの切換が可能です。
オプションボードを増設可能なスロットを2ヶ所装備しています。
オプションボードはデジタル入力ボードDAC-20やDAC-30、アナログ・ディスク入力ボードAD-20、ライン入力ボードLine-10などがあり、用途に応じてリアパネルに増設が可能です。
デジタル入力ボードDAC-20はMDS(マルチプルデルタシグマ)++方式D/Aコンバーターを採用しています。
同軸と光の2系統の入力を装備しており、サンプリング周波数96kHz/24bitまでデジタル信号を直接入力できます。
デジタル入力ボードDAC-30ではDAC-20と同様にMDS++方式D/Aコンバーターを採用しています。
また、同軸と光に加えてUSB端子を装備しておりPCなどの接続が可能です。同軸端子は192kHz/24bitまで対応しています。
アナログ・ディスク入力ボードAD-20はハイゲインイコライザーを採用しています。
MC/MM切替はE-560のフロントパネルで行う事ができます。また、MC入力インピーダンス、フィルターON/OFFはボード内部のディップスイッチで設定します。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格連続平均出力(両ch動作、20Hz~20kHz) | 150W/ch(1Ω、音楽信号に限る) 120W/ch(2Ω) 60W/ch(4Ω) 30W/ch(8Ω) |
全高調波歪率(両ch動作、20Hz~20kHz) | 0.05%(2Ω負荷) 0.03%(4Ω~16Ω負荷) |
IM歪率 | 0.01% |
周波数特性 | High Level input/Power input: 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格連続平均出力時) 3Hz~150kHz +0 -3.0dB(1W出力時) |
ダンピングファクター | 200(8Ω負荷、50Hz) |
入力感度(定格出力/EIA1W出力)/インピーダンス | High Level input:77.7mV/14.2mV/20kΩ Balanced input:77.7mV/14.2mV/40kΩ Power input:0.617V/113mV/20kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Pre output:0.617V/50Ω(定格連続出力時) |
ゲイン | High Level input - Pre output:18dB Power input - output:28dB |
S/N | 入力ショート(A-補正)定格出力時/EIA High Level input:98dB/93dB Balanced input:93dB/93dB Power input:116dB/98dB |
入力換算雑音(入力ショート、A補正) | High Level input:-120dBV Balanced input:-115dBV Power input:-120dBV |
トーンコントロール | 低音:±10dB(50Hz)、ターンオーバー周波数300Hz 高音:±10dB(20kHz)、ターンオーバー周波数3kHz |
ラウドネス・コンペンセーター | +6dB(100Hz) |
アッテネーター | -20dB |
パワーメーター | 対数圧縮型ピークレベル表示、出力のdB/%表示 |
負荷インピーダンス | 2Ω~16Ω |
ヘッドホン端子 | 適合インピーダンス:8Ω~100Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 170W(無入力時) 270W(電気用品安全法) 200W(8Ω負荷定格出力時) |
最大外形寸法 | 幅465x高さ191x奥行426mm |
重量 | 24.0kg |
付属 | リモート・コマンダー RC-200 AC電源コード |
別売:オプションボード | |
デジタル入力ボード DAC-20(¥60,000、2006年2月発売) | |
サンプリング周波数 | 96kHz/24bitまでのサンプリング周波数に対応 |
入力端子 | Coaxial、Optical |
デジタル入力ボード DAC-30(¥70,000) | |
サンプリング周波数 | Coaxial:192kHz/24biまで Optical、USB:96kHz/24bitまで |
入力端子 | Coaxial、Optical、USB(タイプB) |
アナログ・ディスク入力ボード AD-20(¥60,000) | |
ゲイン | MM:36dB MC:62dB |
入力インピーダンス | MM:47kΩ MC:10Ω/30Ω/100Ω切替 |
ライン入力ボード LINE-10(¥8,000) |