Accuphase A-60
¥950,000(2004年5月発売)
解説
                    M-8000、P-7000、P-5000などの設計テクノロジーを踏襲して開発されたステレオパワーアンプ。
                    
                    A-60ではアンプ出力の低インピーダンス化と定電圧駆動を徹底して追求しています。
                    パワーアンプに接続されたスピーカーは逆起電力を発生し、NFループを通ってアンプ入力に逆流します。このため帰還される信号はスピーカーインピーダンスのうねりの影響を受け、結果として理想的なドライブが行えないという問題があります。これを解消するため出力素子そのものを大電力化し、インピーダンスの低減を図っています。このアンプの低出力インピーダンス化によってスピーカーのより理想的な駆動を行うと共にボイスコイルからの逆起電力を吸収し、IM歪の発生を防いでいます。
                    また、定電圧駆動を追求しており、変動するスピーカーのインピーダンスに対し一定信号電圧でスピーカーをドライブする事で理想的なパワーアンプを追求しています。
                    
                    出力段にはパワーMOS-FETを採用しており、チャンネル当たり10ペアのパラレル・プッシュプル駆動とする事で超低インピーダンス負荷まで安定したパワーリニアリティを実現しています。
                    MOS-FETは1個の許容損失電力は130Wですが、1ペア当たりのパワーの負担は6Wに抑えられており、MOS-FETの直線性の優れた小電力領域を効率良く利用しています。また、最大クリッピングレベルは100W/ch(8Ω)に設定されており、瞬間的なパルスにも対応しています。
                    
                    入力部にはMCS(multiple Circuit Summing-up)回路を採用しています。
                    MCS回路では入力信号を増幅するユニットを3回路並列接続する事で低雑音化を図っており、S/N比や歪率などの諸特性が改善しています。
                    
                    NFB量切替方式のゲインコントロールを装備しており、ゲインをMax/-3dB/-6dB/-12dBの4段階で切替できています。
                    この方式ではノイズ成分も同時に下がるため、高能率スピーカーで残留ノイズが目立つ場合にノイズ低減にも効果があります。
                    
                    増幅部には出力信号を電流の形で帰還する電流帰還型増幅回路を採用しています。
                    この方式では帰還入力部のインピーダンスが極めて低く、位相回転が発生しにくいため、位相補償の必要が殆ないという特長を持っています。これにより少量のNFBで特性を大幅に改善でき、立ち上がり等の動特性に優れ、音質的にも自然なエネルギー応答を得ています。
                    
                    電源部には約1kVAのスーパーリング型の大型トロイダルトランスを採用しています。
                    このトランスは熱伝導に優れた防振効果の高い充填材を用いてアルミケースに固着されており、外部への影響を遮断しています。スーパーリング型トロイダルトランスはドーナツ状のコアに太い銅線を巻くため、非常にインピーダンスが低く、小型で変換効率が高くオーディオ用として優れた特性を持っています。
                    また、電源部には82,000μFの大容量フィルターコンデンサーを採用しています。
                    
                    パワーメーターにはデジタル表示とバーグラフの2方式を装備しています。
                    デジタル表示は5桁の数値表示、バーグラフは25ポイントLEDでの表示を行います。また、メータースイッチによってメーターOFF、ワット表示のレンジ切替、バーグラフメーターへの切替が可能です。
                    メーターのホールドタイムは1秒と無限大の切替が可能です。
                    
                    デュアルモノラル/ステレオ/ブリッジ接続の切り換えが可能です。
                    ブリッジ接続によりハイパワーモノラルアンプとしての使用が可能です。
                    
                    Yラグやバナナプラグの挿入可能な大型スピーカー端子を搭載しています。
                    
                    バランス接続に対応しています。
                    フロントパネル側で入力切替(バランス/アンバランス)が行なえます。
                    
                    プリントボード銅箔面や信号経路の主要部品類には金プレート化が施されています。
                
機種の定格
| 型式 | ステレオパワーアンプ | 
| 定格連続平均出力(20Hz~20kHz) | ステレオ仕様時: 480W/ch(1Ω、音楽信号に限る) 240W/ch(2Ω) 120W/ch(4Ω) 60W/ch(8Ω) モノラル仕様時(ブリッジ接続): 960W/ch(2Ω、音楽信号に限る) 480W/ch(4Ω) 240W/ch(8Ω)  | 
                    
| 全高調波歪率 | ステレオ仕様時: 0.07%(2Ω負荷) 0.05%(4~16Ω) モノラル仕様時(ブリッジ接続): 0.03%(4Ω~16Ω)  | 
                    
| IM歪率 | 0.003% | 
| 周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB(定格連続平均出力時) 0.5Hz~160kHz +0 -3.0dB(1W出力時)  | 
                    
| ゲイン | 28.0dB(GainスイッチMax時、ステレオ/モノラル仕様時共) | 
| 負荷インピーダンス | ステレオ仕様時:2Ω~16Ω モノラル仕様時(ブリッジ接続):4Ω~16Ω ※音楽信号に限り、ステレオ1Ωとモノラル2Ω負荷可能  | 
                    
| ダンピングファクター | 100 | 
| 入力感度(8Ω負荷、GainスイッチMax時) | ステレオ仕様時: 0.87V(60W定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時) モノラル仕様時: 1.74V(240W定格連続平均出力時) 0.11V(1W出力時)  | 
                    
| 入力インピーダンス | アンバランス入力:20kΩ バランス入力:40kΩ  | 
                    
| S/N(A補正) | 120dB(入力ショート、定格連続平均出力時) | 
| 出力メーター | デジタルメーター:5桁表示、レンジ切替(10W/100W/1000W) バーグラフメーター:25ポイント表示 ホールドタイム:1秒/無限 切替式 ※表示消灯機能付き、モノラル仕様時は左右同一値表示  | 
                    
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | 
| 消費電力 | 300W(無入力時) 550W(電気用品安全法) 385W(8Ω負荷定格出力時)  | 
                    
| 最大外形寸法 | 幅465x高さ238x奥行545mm | 
| 重量 | 45.1kg | 
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