Accuphase A-30
¥350,000(1台、2004年12月発売)
解説
                    A-60の技術を踏襲して開発されたステレオパワーアンプ。
                    
                    アンプ全体の構成に、インスツルメンテーション・アンプ方式を採用しています。
                    この方式では入力端子からパワーアンプ段までの信号経路をフルバランス化伝送しており、CMRR(Common Mode Rejection Ratio)や歪み率などの所得製に優れると共に外部雑音などの周囲の環境変化にも強く、パワーアンプとしての安定度や信頼性を向上させています。
                    
                    増幅部にはMCS+(Multiple Circuit Summing-up plus)回路やカレントフィードバック増幅回路を採用しており、電気的性能の向上を図っています。
                    MCS回路はアキュフェーズ・オリジナルの回路方式で、同一回路を並列接続することで諸特性を向上させています。MCS+回路はこれを進化させており、初段バッファーアンプのバイアス回路を改善することで回路安定度を高め、並列動作させる部分をI-V変換部のA級ドライブ段にまで拡張しており、さらなる低雑音化を実現しています。
                    カレントフィードバック回路は、出力信号を電流の形で帰還する電流帰還型の増幅回路で、帰還入力部分のインピーダンスが極めて低く、位相回転が発生しにくいため位相補償の必要が殆どないという特徴を持っています。これにより少量のNFBで諸特性を大幅に改善でき、立ち上がり等の動特性に優れ、音質面で自然なエネルギー応答を得ています。
                    
                    出力素子にはパワーMOS-FETを採用しており、チャンネル当たり3ペアのパラレルプッシュプル駆動とすることで超低インピーダンス負荷まで安定したリニアパワーを保証しています。
                    パワーMOS-FET1個の許容損失電力は130Wですが、3ペア駆動することで1ペア当たりのパワー負担を減らし、MOS-FETの直線性の優れた小電力領域を効率よく使用しています。
                    また、瞬間的なパルスをクリッピングから救うため、最大クリッピング・レベルを50W/ch(8Ω、正弦波)に設定しています。
                    
                    大型ヒートシンクによって放熱効果を高め、内部への熱集中を抑えています。
                    
                    電源部には約400VAの高効率大電力容量の大型トランスを採用しています。このトランスは熱伝導に優れ防振効果の高い充填材を用いてケースに封入されており、外部への影響を抑えています。
                    また、電解コンデンサーには47,000μFの大容量・高音質タイプを2個搭載しています。
                    
                    4段階のゲインコントロールを搭載しています。
                    ゲイン切替はインスツルメンテーション・アンプ方式の初段増幅部で利得を切り替えて行っており、MAX/-3dB/-6dB/-12dBから選択できます。この方式では増幅部のゲインを下げるとノイズ成分も同時に下がるため、高能率スピーカーを使用している際に残留ノイズが気になる場合はノイズ低減に効果があります。
                    
                    ブリッジ接続によって大出力モノラルパワーアンプとしても使用が可能です。
                    切替には専用のスイッチを装備しており、デュアルモノ/ステレオ/ブリッジ接続が選べます。デュアルモノポジションでは左チャンネル信号を両スピーカー端子から出力し、低域と高域にそれぞれ専用のアンプを用いたバイアンプ駆動として使用できます。
                    
                    Yラグやバナナプラグに対応した大型スピーカー端子を搭載しています。
                    端子は真鍮無垢材を削り出したもので、金プレート化されています。
                    
                    アナログ式の大型パワーメーターを装備しています。
                    
                    プリント基板の銅箔面や信号経路の主要部品類は金プレート化されています。
                    
                    メーターON/OFFやメーター感度切替、入力切替スイッチを搭載しています。
			
機種の定格
| 型式 | ステレオパワーアンプ | 
| 定格連続平均出力(20Hz~20kHz間) | ステレオ仕様時(両チャンネル同時動作) 1Ω:150W/ch(音楽信号に限る) 2Ω:120W/ch 4Ω:60W/ch 8Ω:30W/ch モノラル仕様時(ブリッジ接続) 2Ω:300W(音楽信号に限る) 4Ω:240W 8Ω:120W  | 
                
| 全高調波歪率 | ステレオ仕様時(両チャンネル同時動作) 2Ω:0.05% 4~16Ω:0.03% モノラル仕様時(ブリッジ接続) 4~16Ω:0.05%  | 
                
| IM歪率 | 0.005% | 
| 周波数特性 | 20Hz~20,000Hz、+0 -0.2dB(定格連続平均出力時) 0.5Hz~160,000Hz、+0 -3.0dB(1W出力時)  | 
                
| ゲイン(利得) | 28.0dB(GAINスイッチMax時) (ステレオ/モノラル仕様時共)  | 
                
| ゲイン切替 | Max、-3dB、-6dB、-12dB | 
| 負荷インピーダンス | ステレオ仕様時:2~16Ω モノラル仕様時:4~16Ω ※音楽信号に限り、ステレオ1Ωとモノラル2Ω負荷可能  | 
                
| ダンピング・ファクター | 150 | 
| 入力感度(8Ω負荷、GainスイッチMax) | ステレオ仕様時 0.57V(定格連続平均出力(30W)時) 0.11V(1W出力時) モノラル仕様時 1.14V(定格連続平均出力(120W)時) 0.11V(1W出力時)  | 
                
| 入力インピーダンス | バランス:40kΩ アンバランス:20kΩ  | 
                
| S/N(A補正、入力ショート、定格連続平均出力時) | 111dB(GainスイッチMax) 118dB(Gainスイッチ-12dB)  | 
                
| 出力メーター | -40dB~+3dB(dB/%表示) 対数圧縮型、表示消灯機能、メーター感度切替機能(-20dB)  | 
                
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz | 
| 消費電力 | 無入力時:170W 電気用品安全法:260W 8Ω定格出力時:205W  | 
                
| 外形寸法 | 幅465x高さ170x奥行425mm | 
| 重量 | 21.5kg | 
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