YL音響 SCU-14
¥46,000(1970年頃?)
解説
オールシリコントランジスタ構成のコントロールアンプ。
MC型カートリッジ用にヘッドアンプを搭載しています。
非常に低いレベルの入力を増幅するため、使用するトランジスタの選定に重点が置かれており、雑音量を大きく減らしています。
ヘッドアンプはPhono L端子を使用しています。また、Phono H端子には2~10mV出力のカートリッジを接続します。
テープレコーダーのプレイバック・ヘッド出力を直接増幅できます。この端子は、High(19cm/s)とLow(9.5cm/s)の切換えが可能です。
ボリュームには特に厳選した通信機用の可変抵抗器を使用しており、連動偏差を少なく抑えています。
このボリュームはテープモニターアウト端子からの入力もコントロールでき、センターチャンネル端子からの出力もコントロールできます。
スイッチ切替式のバランスコントロールを搭載しており、各チャンネルとも-1.5dBおよび-3dB減衰が可能です。
スイッチ式のトーンコントロールを採用しています。
このトーンコントロールでは200Hz以下の低音部と3kHz以上の高音部の特性が変化し200Hz~300kHzの中音域は変化しません。
モードスイッチを搭載しています。
ワンタッチでボリュームを15dB小さくできるミューティングスイッチを搭載しています。
テープモニタースイッチを搭載しており、INの位置にするとInputスイッチの位置のソースがそのまま再生され、同時に裏面のtape
monitor in端子から録音することができます。
センターチャンネル出力端子を搭載しており、3D方式の再生が可能です。
センターチャンネルは、左右チャンネル・シグナルを混合した信号を出力します。この端子は両チャンネル間の影響をなくすため、エミッタホロワー1段を設け、ミキシングのロス分だけ両チャンネルよりゲインが高くなっています。
音質を重視するために1台ごとに非常に精密な調整が施されており、生産量が制限されていました。
Phono L端子にはドイツ製のDIN規格5ピン・プラグを採用しています。また、ピックアップとの接続用に特注で製作させた5ピンプラグ付き4芯シールド線1.5mが付属しています。
このシールド線とアームの接続法は赤にR+、緑にR-、白にL+、黒にL-を配線し、アース線を接続します。SMEのアームのようにアームのリード線の端子のところで、アーム本体のアースラインが左右チャンネルのいずれかのマイナス側と接続されている場合は、これを別に話して接続します。
電源スイッチ連動式のサービスコンセントを2系統装備しています。
パワースイッチは5Aの電流に耐えるものを使用しており、サービスコンセントに接続する機器とSCU-14の消費電力合計が500Wを超えないよう注意が必要です。
ヒューズには1Aヒューズを採用しています。
ウォルナット仕上げのウッドキャビネットが付属しています。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
入力感度(1V出力、1kHz) | Phono L:180μV Phono H:2.5mV Tape head:3.2mV FAM:100mV |
イコライザー | Phono:RIAA Tape head:NAB(19cm/sと9.5cm/s用) |
モード | ステレオ(ノーマル)、リバース、モノ(左右チャンネルミックス) |
歪率 | 0.05%(100Hz、1V出力時) |
入力インピーダンス | Phono L:300Ω Phono H:50kΩ Tape head:100kΩ FAM:50kΩ |
S/N比 | Phono L:50dB Phono H:53dB Tape head:50dB FAM:60dB |
トーンコントロール | Bass:+5dB、+10dB、-5dB、-10dB Treble:+5dB、+10dB、-5dB、-10dB |
その他付属回路 | テープモニター ミューティング |
使用半導体 | トランジスタ:14個 ダイオード:2個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 本体:幅320x高さ120x奥行100mm ウッドキャビネット:幅344x高さ150x奥行125mm |
重量 | 3.4kg(ウッドキャビネット含む) |
付属 | DIN5ピン・プラグ付き4芯シールド線1.5m 両端ピンプラグ付き単芯シールド線(赤・白・灰)1m ウォルナット木箱 |