YAMAHA NS-20
¥48,000(1本、1968年発売)
解説
低域にヤマハ独自のユニットを採用したスピーカーシステム。
低域にはヤマハ独自のNS型ウーファーJA-5002を搭載しています。
NS型はピアノの響板をヒントに開発されたもので、コーンスピーカーのピストン運動とは全く異なった板の屈曲が生む分割振動を追求しています。振動板の材質は200種以上のテストから選択された独特のプラスチックフォームを使用しています。これにより外部湿気による品質変化を防ぎ、しかも比重が極めて軽いため振動に必要な電気エネルギーの効率も優れたものとなっています。
駆動部にはヤマハが特許を持つ超異方性高性能磁石を使用しており、歪を低減しています。
このユニットの特長として、振動板の面積が広いため音の広がりが良く、しかも多重共振系なので高域では多数の領域に分かれて振動するため巨視的に見た場合指向特性は周波数によらないなどがあります。また、後面開放エンクロージャーで十分使用でき密閉箱での箱内空気のコンプライアンスを考慮する必要がありません。
中域には20cmコーン型スコーカーであるJA-2053を搭載しています。
高域ユニットに関しては前期と後期で異なるものを搭載していたようです。
初期には5cmホーン型ツィーターであるJA-0503を搭載しており、後期には5cmホーン型ツィーターのJA-0505を搭載しています。
中域と高域用にレベル・コントロールを搭載しています。
エンクロージャーは前面が開放型となっており背面に向けてJA-5002をマウントした独特のレイアウトとなっています。
このようなレイアウトなので、壁から最低5~10cm離した設置を推奨していました。
板材は19mmラワン合板を使用しており、外観はアメリカンウォルナット仕上げが施されていました。前面のネットは取り外しが可能です。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・前面開放方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:NS型(JA-5002) 中域用:20cmコーン型(JA-2053) 高域用:ホーン型(JA-0503 or JA-0505) |
再生周波数帯域 | 50Hz~18kHz |
クロスオーバー周波数 | 200Hz、8kHz(6、12dB/oct) |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 102dB/W |
許容入力 | 20W(連続) |
外形寸法 | 幅620x高さ860x奥行310mm |
重量 | 23kg |