オーディオの足跡

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FX-3の画像
 解説 

中高域のユニットにベリリウム振動板を採用した大型フロア型スピーカーシステム。

低域には36cmコーン型ウーファーであるJA-3601を搭載しています。
コーンには、音質の点で吟味が行われたパルプより作られたコルゲーション入りのコニカルタイプを採用しており、分割振動を抑えて広いピストンモーション領域を得ています。また、エッジには発泡ウレタンのロールエッジを採用しており、ダンパーも基布や含浸剤に十分な検討を加えることでリニアリティを改善しています。
ボイスコイルは、銅リボン線を耐熱性のNOMEXボビンにエッジワイズ巻きにしたロングボイスコイルタイプのもので、大入力時にもリニアリティの良い動作を確保しています。またボイスコイルのネック部分には、亜鉛製の補強リングを装着しており、ボイスコイルのたわみによる不整形運動を防止し、高調波歪の発生を抑えています。
磁気回路は、200φx120φx20tmmの大型フェライトマグネットを採用して、総磁束260,000maxwell、磁束密度12,000gaussを得ています。また、センターポールには磁気歪の発生を少なく抑える銅キャップを被せており、耳障りな3次高調波歪を低減しています。
フレームにはオーディオ専用のアルミダイキャストフレームを採用しています。

中域には8.8cmハードドーム型スコーカーであるJA-0802を搭載しています。
ダイアフラムには、ヤマハの電子ビーム真空蒸着法によって曲率半径が小さく(深いドーム状)作られたのベリリウム振動板を採用しています。この振動板は、真空中の蒸着炉にいくつかの型(基板)を入れて同時に複数枚を製造し、完成した振動板の中の一枚をすぐにユニットに組み込んで試聴し、満足ゆかない場合は同時に蒸着した全ての振動板を廃棄するといった厳密な選別が行われています。また、ベリリウム振動板を曲率半径の小さいドーム型に整形したことで発生する、帯域外の軸上特性における干渉による谷を、ディフューザーを採用することで抑えています。
ボイスコイルには耐久性に優れたクラフト紙のボビンに占積率の良い銅リボン線を強固にエッジワイズ巻きにしたものを採用しており、エッジには粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重にコーティングしてリニアリティを高めた特殊繊維のタンジェンシャルエッジを採用しています。
このスコーカーでは、リニアでハイトランジェントな動作を確保するために、ベリリウム振動板、ボイスコイル、タンジェンシャルエッジなど各部分の空気圧が等しくなるように考慮がされています。振動板背後はセンターポールを大きくくり抜いてバックキャビティに通じており、またボイスコイルの背後は磁気回路の底板に空気穴を空けてバックキャビティに通じています。さらにエッジ背後の部分においてもボイスコイルボビンに穴をあけたり、アウターポールに穴を通じさせており、振動系のリニアな動作を確保しています。
磁気回路には156φx80φx25tmmのフェライトマグネットを採用しており、総磁束130,000maxwell、磁束密度16,000gaussを実現しています。

高域には3.0cmハードドーム型トゥイーターであるJA-0526を搭載しています。
ダイアフラムには、スコーカー同様にベリリウムを採用しており、0.028gの軽量振動板となっています。また、ボイスコイルにはクラフト紙のボビンに質量の軽い銅クラッドアルミリボン線をエッジワイズ巻したものを採用し、粘弾性樹脂と熱硬化性樹脂を二重コーティングした特殊繊維のタンジェンシャルエッジでサポートしています。
磁気回路には100φx50φx22tmmのフェライトマグネットを採用しており、総磁束33,000maxwell、磁束密度18,500gaussを得ています。

ネットワーク部には、大型フェライトコアによるボビンに、直流抵抗の少ない純度99.98%の銅線を使用し、コンデンサには音質によるチェックにより選ばれたMPコンデンサを採用しています。
また、コイル同士の相互インダクタンスなどの影響を少なくするために、距離を充分にとりながらお互いを直角に取付けています。

スコーカーとトゥイーターには連続可変タイプのレベルコントロールが装備されています。
採用されているアッテネーターは許容入力が充分に大きく、音質劣化が少ない精密なものを採用しています。

エンクロージャーは内容積120Lの大容量フロアタイプに仕上げられています。
素材には全面同一のパーティクルボードを採用しており、仕上げは表面はシャイニーオーク仕上げで、バッフル板は黒色仕上げとなっています。このパーティクルボードは、通常のものより高密度で高硬度なもので、楽器作りを通して得られた木工技術のノウハウを生かした補強が行われています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型
使用ユニット 低域用:36cmコーン型(JA-3601)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0802)
高域用:3cmドーム型(JA-0526)
再生周波数帯域 30Hz~20kHz
最低共振周波数 24Hz(Box共振周波数)
最大許容入力 100W
定格入力 50W
出力音圧レベル 91dB/W/m
最大音圧レベル 112dB
クロスオーバー周波数 600Hz、6kHz(12dB/oct)
レベルコントロール 中域:+2.5dB~-∞(連続可変)
高域:+1dB~-∞(連続可変)
外形寸法 幅588x高さ867x奥行442mm
重量 62kg