YAMAHA GT-CD2
¥350,000(1992年発売)
解説
GT-CD1の思想を継承して開発されたCDプレイヤー。
GT-CD2は、ヤマハの木工技術を用いた60mm厚パーティクルボードのウッドベースと砲金鋳物製のドライブメカハウジングで構成されています。また、外装材には、音響的な響きを持ったアメリカンウォルナットを、オープンポア仕上げで採用しています。
ウッドベース部は2.3mm厚の鉄板が裏打ちされており、対辺22mmの六角鉄柱4本を用いて、丸鋼削り出しのピンポイントレッグと脱着式レッグベースで構成されたGPレッグに直結しています。これにより、レッグベース使用時も常にピンポイントで荷重を支持し、高さ調整も可能となっています。
さらにウッドベースの下部には、D/Aコンバーターを8mm厚のアルミブロックによるフレーム構造シャーシに組込んだ構造となっています。
フローティングを排除したリジッド構造と24kgという重量化により、高剛性・無共振化を実現しています。
プレイヤー部とDAC部を完全分離したセパレート構造を採用しています。さらに、セパレート化したプレイヤーとDAC部を敢えて一つの筐体に納める「一体型セパレート構造」としています。
また、マスタークロックをDAC部に置き、プレイヤー部のクロックをVCXO化する方式を採用することで、セパレート構造でありながら一体型プレイヤー並みの低ジッターを実現しています。
メカニズム部は、砲金鋳物を全面削り出しした3kgのハウジングをベースにディスクプレイヤーを構成した、トップエントリー方式を採用しています。
スピンドルモーターにはシャフト径4mmのブラシレスモーターを採用し、真鍮削り出しディスクテーブルにゴムを張り付け、高い精度の確保と、加減速時のスリップを防止しています。
ピックアップ部には3ビーム方式を採用しています。2本の精密シャフトでガイドし、安定性と静粛性を優先したタイミングベルトの送り機構により滑らかな再生を実現しています。
ディスクのクランプは重力式となっており、自重160gの丸鋼削り出しスタビライザクランパを採用しています。また、センターにはモーターのシャフトをそのまま使用することで高い精度を確保しています。
さらに、ハウジングに対してプレイヤー部全体を2度手前に傾かせ、シャフトの揺動の防止と、軸受の油膜の安定化を図っています。
D/A変換部には、ヤマハ独自のI-PDM方式1ビットDACと、2次ノイズシェイピングを採用しています。
デジタル波形が理想的でなくても正確なアナログ変換を実現するI-PDM方式と、帯域外ノイズを低レベルに抑えつつ高いダイナミックレンジを確保する2次ノイズシェイピングの組み合わせにより、正確なD/A変換を実現しています。
また、1チップで2ch分の処理能力を持ったDACを左右独立で使用することにより、相互干渉を防ぐと共に正相と逆相となる信号を出力でき、ディザ成分の完全な打消しと、ランダムノイズの3dB低減を実現しています。
オーディオ部は全てをトランジスタで組み上げたディスクリート構成となっており、差動入力・コンプリメンタリー出力・全段クラスA動作となっています。
パーツにはGT-CD1で採用したオーディオパーツを採用しています。
電源部は、サーボ・DAC系とオーディオアンプ系をトランスから分離し、さらにサーボ系とDAC系で巻線を分けて干渉を抑えています。また、フィルターコンデンサーはオーディオ部が27,000μF以上、DAC部も10,000μF以上となっています。
アルミ削り出しスイッチを採用しています。
3段階表示切替え機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
高調波歪率 | 0.0016%以下(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 100dB以上 |
S/N比 | 118dB(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 100dB |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
出力 | アナログ:RCAピン・アンバランス出力 デジタル:同軸デジタル出力 |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 19W |
外形寸法 | 幅435x高さ157x奥行405mm |
重量 | 24kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |