YAMAHA CDX-1050
¥89,800(1990年発売)
解説
I-PDM方式のD/Aコンバーターを搭載したCDプレイヤー。
D/A変換部に新開発のI-PDM(Independent Pulse Density Modulation)方式を採用しています。
この方式では出力パルスをインディペンデント化することで、出力波形が理想でなくても独立したパルスの面積が同じであれば正確にアナログ波形に変換できるようにしています。これにより原理的にアナログ波形に歪が発生しません。
ノイズシェイピングには、オーディオ帯域内で理論的に140dB以上のS/Nを確保し、さらに100kHz~500kHzのノイズを低減できる2次ノイズシェイピングを採用しています。これによりアナログフィルタに音質的に不利な急峻なローパスフィルタを必要とないため、優れた音質を追求できています。
ローパスフィルタには高精度で大容量なパッシブ型ハイマス・ローパスフィルタを採用しています。このローパスフィルタでは、一般的なアクティブ型より良好な音質が得られるパッシブ型の採用しています。さらに、コア材・銅線・コイルの巻き方向などをじっくりと検討して通常の物の数倍の容量を持つコア材を使用しており、磁気飽和までのダイナミックレンジの広いフィルターを実現しています。
アナログオーディオ部のアンプは全てA級動作固定出力としており、信号の劣化を抑えています。
メイン基板には、伝送ロスを低減するとともに高周波ノイズを減少させることが可能な両面銅箔基板を採用しています。
デジタル部とオーディオ部との干渉による歪やノイズの発生を防ぐため、電源部から分離した構成を採用しています。
電源トランスは、デジタル/メカ/ディスプレイ部用とオーディオ部用は別巻線としており、さらに電源回路も独立基板構成とすることでクリーンな給電を実現しています。
シャーシとボディ部は徹底した重量化を図ることで、無共振・高剛性化を実現しています。さらに、トップカバーを二重にしたダブルトップに加えて底板も二重構造としたダブルコンストラクションシャーシを採用しています。これらにより、音の濁りの原因となる内外の振動を抑えています。
脚部にはヤマハ独自のGPレッグを採用しています。
GPレッグは逆円錐型のピンポイントレッグと大型の防振レッグで構成されており、防振レッグを外した時にはピンポイントで荷重を支持できます。また、防振レッグを装着した時でもピンポイントレッグが働き、プレイヤーの荷重は常に点で支持され、外来振動を抑えています。
防振レッグの高さは可変できます。
メカニズム部には、必要な部分だけを最小単位でフローティングするアンチバイブレーション・フローティングメカを採用するとともに、マグネットクランプによってしっかりとディスクを押さえることで安定したドライブを実現しています。
また、トレイには高剛性アルミ押し出し材に加え、GTプレイヤーで培われた技術を生かした制振ディスクマットを付加した、ヤマハ独自のGTトレイを採用しています。
ディスク駆動部には4mmφの極太シャフトを採用した制振ブラシレスモーターを採用することで、振動の発生を低減しています。
また、ピックアップ用には高速リニアモーターを採用しています。
プログラムファイル機能を搭載しており、ディスクごとのプログラムを最大100枚分(10曲プログラム時)まで記憶し、同じディスクを再生する場合に自動的にプログラム再生をすることができます。
10キーダイレクトアクセスが可能です。
インデックスサーチを搭載しています。
1曲、全曲、プログラム曲、A-B間、インデックス間の5モードリピートが可能dえす。
ランダムプログラムプレイが可能です。
テープエディット機能を搭載しています。
25曲プログラムプレイが可能です。
デリートプログラムプレイが可能です。
オートスペース機能を搭載しています。
外部タイマーを接続することでタイマープレイが可能です。
リモコンボリュームを搭載したワイヤレスリモコンが付属しています。
チタンとブラックの2色のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
高調波歪率 | 0.0018%(EIAJ) |
S/N比 | 118dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 98dB(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 98dB(EIAJ、FIX) |
出力インピーダンス | 600Ω |
ヘッドホン出力 | 640mV±20mV |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 17W |
外形寸法 | 幅473x高さ111.5x奥行346mm |
重量 | 10.5kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |