YAMAHA CD-350
¥49,800(1985年発売)
解説
フルサイズコンポーネントのエントリーモデルとして開発されたCDプレイヤー。
従来より微細化し、2μmルールにすることで回路の集積度を上げた新設計のLSIを採用しています。
デジタルフィルター組込みの信号処理用LSIはN-MOSタイプで、インターリーブ復調、誤り検出、誤り訂正などを含む各種デジタル信号処理を一つにまとめた構造となっています。
また、サーボコントロール用LSIは、高速処理が可能で消費電力の少ないC-MOSタイプとなっており、光ヘッドを含む各種サーボコントロールをはじめ、EFM信号やサブコードの復調といった信号処理を行い、外乱等の影響を排除して高信頼のディスク制御を叶にしています。
光ヘッドには3ビーム方式を採用しています。3ビーム方式では、トラック方向に対して3本のビーム線を当てており、真ん中のビームで信号を読取り、前後の2つのビームでトラックズレをリアルタイムに検出しています。
3ビーム方式と高速サーボ機構によって±0.2ミクロンの高精度トレースを実現しています。
フォーカス方向とトラッキング方向の制御には、信頼性の高い軸スライドタイプのアクチュエーターを採用しています。
また、レーザー光源はディスクの直下から照射する配置となっており、光量の減衰を極力無くす仕組みとしており、さらに対物レンズには収束率が高く、しかも光源ズレに対しても焦点の結ぶ能力に変化が少ない非球面タイプを採用しています。
2倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターを搭載しており、44.1kHzでサンプリングされているCDの信号を2倍の88.2kHzにすることで、アナログローパスフィルターの負担を軽減しています。
また、アナログローパスフィルターは3次アクティブフィルタで構成されており、位相特性の急峻な変化を抑えて素直な特性を獲得しています。また、アナログローパスフィルターには良質のコンデンサを厳選して使用しています。
9曲ランダムプログラム、全曲/プログラムの選択ができるリピート、インデックスサーチ、モニターが可能な2スピードサーチなどの機能を搭載しています。
ヘッドホン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
光ヘッド | 3ビームレーザー・軸スライド型 |
フィルター | デジタルフィルター 3次アナログアクティブフィルター |
周波数特性 | 5Hz~20kHz +0.5 -1.0dB |
高調波歪率 | 0.004%(1kHz、EIAJ) |
SN比 | 98dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 95dB(EIAJ) |
チャンネルセパレーション | 90dB(1kHz) |
ワウフラッター | 測定限界以下 |
出力電圧 | 2Vrms |
機能 | 9曲ランダムプログラム インデックスサーチ リピート(全曲・プログラム曲) |
外形寸法 | 幅435x高さ94x奥行290mm |
重量 | 4.2kg |