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 解説 

クロスオーバー周波数連続可変、3段スロープセレクタ、Qコントロール回路を搭載したエレクトロニック・クロスオーバ・ネットワーク。

EC-1は、ヤマハオリジナルDCアンプモジュールによる入力バッファアンプに、High-Speed・広帯域・高信頼性オペアンプと高精度の抵抗・コンデンサを採用した時定数素子による低域用ローパスフィルタ、中域用ハイパスフィルタ+ローパスフィルタ、高域用ハイパスフィルタの3系統のフィルタユニットがパラレルに接続された構成となっています。
各フィルタはクロスオーバ周波数を5オクターブ連続可変することができ、さらにスロープ特性を6dB/oct、12dB/oct、18dB/octと切換えることができます。さらに、スロープ特性が12dB/octの場合には、フィルタの肩特性を表すQを0.5〜1の範囲でコントロールすることができます。
また、リアパネルのDividing Function Selectorにより、3way、2way-1、2way-2の3種類のフィルタモードが選択できます。

バッファアンプの回路構成は、ヤマハオリジナルのローノイズDual FETによる差動増幅回路にカスコードブートストラップ、カレントミラー回路をアッセンブリした初段、ベース接地増幅ドライブ段、fTが高くコンプリメンタリ特性の良く揃ったピュアコンプリメンタリープッシュプルエミッタフォロア出力段で構成されたDCアンプ構成となっています。
このバッファアンプは初段にローノイズDual FETを採用しているため低雑音で、カスコードブートストラップ回路やカレントミラー回路をアッセンブリしているため、FET帰還容量によるミラー効果を防ぎ周波数特性を改善しています。さらに信号源インピーダンスの変動による歪率の劣化といった問題や、DCアンプの中点電圧のドリフトなどの問題もカスコードブートストラップ回路やDual FETの採用などによって解決し、優れた低歪率特性と安定度を得ています。
2段目のベース接地増幅回路はエミッタ接地増幅回路などに比べてミラー効果を極めて少なくすることができ、広帯域で多量のNFに対しても安定な回路となっています。
終段のピュアコンプリメンタリープッシュプルエミッタフォロアは、Pcに十分余裕があり、しかもfTの高いペア特性の揃ったコンプリメンタリートランジスタを採用することで、パラレル接続された3組のフィルタ回路をA classで十分な余裕を持ってドライブできています。
また、このバッファアンプは、プラスチックケースに納め、エポキシ樹脂で固めてモジュール化し、信頼性及び温度特性の向上を計っています。

EC-1は各フィルタにそれぞれ2組、計16組のフィルタアンプを使用しています。フィルタアンプには、High-Speed広帯域のオペアンプIC LM-310によるボルテージフォロア回路を採用しており、1Ω以下という十分に出力インピーダンスを得ることで十分な減衰特性を実現してます。
ボルテージフォロアIC LM-310は、トランジスタ19個相当のICで、カスコードブートストラップ回路まで装備したDCアンプ構成となっており、ローノイズでHigh-Speed・広帯域・高信頼性を実現しています。

フィルタ回路は6dB/oct、12dB/oct、18dB/octの3種類のスロープ特性を持っています。
6dB/octのフィルタは出力バッファアンプを持ったパッシブフィルタで、クロスオーバー周波数はCを切換えて1オクターブ毎に変化させ、さらにVRによって±0.5オクターブの範囲で連続可変できるようになっています。
12dB/octのフィルタは2次のアクティブフィルタで、クロスオーバー周波数は2組のCを切換えて1オクターブ毎に変化させ、さらに連動する2つのVRによって±0.5オクターブの範囲で連続可変できるようになっています。また、クロスオーバー周波数付近の肩特性を微妙にコントロールできるQコントロール回路を備えています。
18dB/octのフィルタは、12dB/oct、Q=1の2次のアクティブフィルタの後ろに出力バッファをもったCR-1段のパッシブフィルタを設け最平坦特性を得ています。クロスオーバー周波数は3組のCを切換えて1オクターブごとに変化させ、さらに連動する3つのVRによって±0.5オクターブの範囲で連続可変できるようになっています。

厳選した部品を使用することで、音質と特性の改善を図っています。
増幅素子は、バッファアンプの初段にヤマハオリジナルのローノイズDual FET(2SK100)の採用をはじめとして、信号系の増幅素子は特にリニアリティが良くローノイズのものを採用しています。また、フィルタアンプにはHigh-Speed、広帯域・高信頼性のボルテージフォロアIC LM-310を使用しています。
フィルタの時定数素子として信号系に使われているコンデンサの全てに高価な±1%の高精度ポリプロピレンフィルムコンデンサを採用しています。このポリプロピレンフィルムコンデンサは精度が高いだけでなく、tanδが小さく高周波特性に優れ、ヒアリングによるチェックでも優れた結果が得られたものを採用しています。
抵抗には、セラミック基板上に真空蒸着法によって抵抗体及び電極部を形成し、エポキシ樹脂で外装した構造を持つ金属皮膜抵抗を全面採用しています。この金属皮膜抵抗は温度係数±50ppm/℃、誤差±1%以内という優れた特性を持っています。
可変抵抗器は全てコンダクティブプラスチックボリュームを採用しています。このコンダクティブプラスチックボリュームは、精度±2%以内、ギャングエラー±1dB以内の高精度のものを採用しています。
基板には両面スルーホールのガラスエポキシ基板を採用しています。さらに、使用しているスイッチ類の発生する歪にまで注目選別した低歪率スイッチ類を使用し、入出力端子は全て金メッキが施されています。

Dividing Functionセレクタにより、3way、2way-1、2way-2の3種類のフィルタモードとPassモードを選択することができます。
3wayのポジションでは、Low、Mid、Highの3ウェイネットワークとして動作し、2つのクロスオーバー点のLEDが点灯します。また、2way-1のポジションではLow-Mid間をクロスオーバー点とした2ウェイネットワークとして動作し、2way-2ではMid-High間をクロスオーバー点とした2ウェイネットワークとして動作します。
Passのポジションは0dBゲインのフルレンジバッファアンプとして動作し、リアパネル面のLow端子に出力されます。

Slowpセレクタにより上下のクロスオーバ点でLPF側、HPF側の4点でそれぞれ独立して6dB/oct、12dB/oct、18dB/octのスロープ特性を選択することができます。
6dB/octのポジションは、遮断特性が緩やかなため、使用するスピーカーユニットの特性がCrossoverで設定した受け持ちの周波数帯域より広く良好な場合などにスムーズな音のつながりが得られます。
12dB/octのポジションでは、フィルタの肩特性を表すQを0.5〜1の範囲でコントロールできます。
18dB/octのポジションは、遮断特性が急峻なため、クロスオーバー周波数がしようユニットの分割振動領域に近い場合などに有効となっています。

クロスオーバーセレクタにより、クロスオーバー周波数をLow-Mid間で1オクターブ毎の50Hz/100Hz/200Hz/400Hz/800Hzの5ポイント、Mid-High間で1オクターブ毎の800Hz/1.6kHz/3.2kHz/6.4kHz/12.8kHzの5ポイントを選ぶことができます。
さらに、クロスオーバー微調整ツマミによりクロスオーバーセレクタで設定した周波数をLPF側とHPF側それぞれ独立して±0.5オクターブ連続可変することが可能です。このため、クロスオーバー周波数はLow-Mid間で35Hz〜1.13kHz、Mid-High間で565Hz〜18.1kHzの範囲を連続可変することができます。

Qコントロールにより、スロープ特性が12dB/octの場合にはフィルタの肩特性を表すQを0.5〜1の範囲で連続可変できます。これによりクロスオーバー帯域の出力和の調整が可能で、クロスオーバー帯域内にあるピークやディップを補正することができます。

EC-1の各種コントロールのセッティング状態を記録できるメモリカードが10枚付属しています。また、このメモリカードはEC-1底部にあるメモリカードホルダに収納しておくことができます。

高品質金メッキ処理Pin-Pinコードが3本付属しています。このPin-Pinコードは市販品CP-10(\2500)と同等のもので、2重スパイラル構造となっており、直流抵抗0.07Ω(往復)、キャパシタンス120pF(1kHz、1.2m)となっています。

機種の定格
型式 エレクトロニック・クロスオーバーネットワーク
構成 入力:デュアルFETカスコードブートストラップ方式バッファアンプ
フィルタ:高速・広帯域オペアンプ
チャンネルセパレーション 70dB(1kHz、入力10dBm)
クロスオーバー周波数 通常選択時
 Low-Mid:50Hz、100Hz、200Hz、400Hz、800Hz
 Mid-High:800Hz、1.6kHz、3.2kHz、6.4kHz、12.8kHz
クロスオーバー微調整ツマミにより
 Low-Mid:35Hz〜1.13kHz連続可変
 Mid-High:565Hz〜18.1kHz連続可変
遮断特性 -6dB/oct、-12dB/oct、-18dB/oct
Qコントロール特性 -12dB/oct時:0.5〜1.0連続可変
減衰特性 -85dB以上
定格入力/インピーダンス 1V/50kΩ
定格出力/インピーダンス 1V/300Ω
許容入力/最大出力 7V/7V(THD 0.01%。1kHz)
周波数特性 10Hz 0±0dB(Low Range or Passポジション)
100kHz 0±0dB(Low Range or Passポジション)
DC〜100kHz 0 +0 -0.5dB(3/2way和特性 or Passポジション)
挿入損失 0dB
高調波歪率(20Hz〜20kHz) 0.003%(定格出力時)
0.01%(4V出力時)
SN比(IHF-Aネットワーク) 102dB(定格出力時)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 15W
外形寸法 幅435×高さ72×奥行349mm
重量 7.5kg
付属 Pin-Pinコード×3
メモリカード×10