オーディオの足跡

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CR-800の画像
 解説 

ヤマハのアンプ技術を生かした音質重視のレシーバー。

メインアンプ部は初段差動増幅で安定度を高めた全段直結ピュアコンプリメンタリーOCL方式の回路を採用しています。

電源部にはレギュレーションの良い大型パワートランスと6,800μFx2の大容量コンデンサーを採用しており、パワー段を除く全段を駆動する別設定の定電圧電源と相まって、全回路の安定性を高めています。

保護回路としてパワートランジスタ保護とスピーカー保護の2段構成を採用しています。
パワートランジスタ保護回路にはASO検出によるリミッター方式を採用しており、過負荷などで保護回路が作動しても出力が減少するだけで再生が中断されません。
また、スピーカー保護回路は出力端子電圧が±2Vを越すとリレーによって回路を遮断する方式で、±2V以内になれば自動復帰します。さらにこの保護回路は電源ミューティングも兼ねており、パワースイッチON/OFF時のショックノイズも除去しています。

イコライザー回路は4段直結回路で構成されており、雑音に留意した設計とコンピューターを用いた回路解析(CAD手法)によって低歪・高S/Nを実現するとともに高い安定度を得ています。
さらに、厳選した回路素子を採用することでRIAA偏差も±0.5dB以内に抑えられています。

トーンコントロール回路には3段直結アンプを使ったヤマハ独自のNF方式を採用しており、低歪率に加え、ツマミ中点でのうねりが無く、フラットな周波数特性が得られます。

フィルター回路にもトーンコントロール回路と同じ3段直結回路を採用しています。
ローフィルターはカットオフ周波数が70Hzと20Hzの2段切換式となっており、特に20Hzポジションはサブソニックフィルターとなっています。また、ハイフィルターはカットオフ周波数8kHz、6dB/octのスロープとなっており、さらにFMステレオ放送の高域をブレンドして周波数特性を劣化させずにノイズ成分を除去するハイブレンドフィルターにも切換えできます。

リスニング環境に対応して最低な聴感補正が行えるコンティニュアスラウドネス回路を搭載しています。
この回路では、ラウドネス専用のボリュームを設ける事で、実際に聴く人の耳を基準にして補正が行えます。なお、補正カーブは0dB~20dBで等ラウドネス曲線に基づいています。

チューナー部のFMフロントエンドには、RF2段とミキサー段に高周波特性が優れ低雑音のデュアルゲートMOS FETを3個使用しています。これにより混変調特性をはじめとする各種妨害排除特性を大きく向上しています。
さらに、同調回路には周波数直線形4連バリコンを採用しており、ダイヤルスケールも等間隔となっています。

FM IF段にはICを用いた7段差動増幅アンプと6素子セラミックフィルターを採用しており、リニアな位相特性とスカート曲線の優れたバンドパス特性を実現しています。

チューナーの諸特性は入力依存性が大きいと受信電波の強弱により影響されやすくなります。
CR-800ではこの入力依存性を最小に抑えるため、FMフロントエンドとIF段の位相特性を重視しており、入力レベルの変化によるステレオセパレーションや歪率の劣化を抑えています。

FM MPX回路ではスイッチング方式平均値復調回路にオーディオアンプ同様のNFBをかけるヤマハ独自の方式を採用しています。この方式ではSCAフィルターが不要なため、位相特性の悪化などがなく、高域セパレーションも十分に確保されています。

オートタッチ・チューニング機構を採用しており、FMフロントエンドにAFCをかけることで安定度を高めています。
このAFC回路はチューニングツマミに手を触れて選局している間は自動的にキャンセルされるため、微弱な電波も確実にキャッチできます。さらに、このヤマハ独自のオートタッチチューニング機構は、選局中に局と同調すれば、AFC/Stationインジケーターが薄く点灯し、正確に同調をとってツマミから手を離すとインジケーターが明るく点灯してAFC回路が動作中であることを示します。

ダイヤル面の3個のインジケーターにはLEDを採用しています。

ダイナミックレンジの大きいシグナルメーターを採用しています。
従来のシグナルメーターでは30dB以上の入力でメーター駆動回路が飽和し、正確なメーター指示が困難でした。CR-800ではメーター回路にAGCをかけることで弱電界から強電界まで飽和することなくリニアに指針を振らせています。

FM MPX回路の入力段と出力段とにミューティングをかけたダブルFMミューティング回路を採用しており、局間ノイズや離調・選局時のショックノイズをカットしています。

AMチューナー部は、同調回路を3連エアバリコン、セラミックフィルター、同調コイル2個によるトリプルチューンとしており、高い安定度と優れた選択度特性を得ています。
また、AM局の大電力化にも対応した設計となっており、120dB/mの強入力でも歪ない専用AGC回路を採用しています。

専用アンプ回路を備えたマイクミキシング回路を搭載しています。

-20dBのオーディオミューティングを搭載しています。

プリアンプ部とメインアンプ部を分離して使用できます。

2系統のスピーカー端子を搭載しています。

300Ω平衡型と75Ω不平衡型の2系統のFMアンテナ端子を搭載しています。
また、接続が簡単な同軸ケーブルホルダーも付属しています。

ディスクリート4チャンネル放送にも対応するため、アダプター用のIF出力端子を搭載しています。

4個のACアウトレットを採用しています。

外観はシルバーヘアラインのフロントパネルとキャストールオープンポア仕上げのキャビネットで仕上げられています。

機種の定格
型式 ステレオレシーバー
<オーディオ部>
実効出力(歪率0.1%)
20Hz~20kHz、両ch駆動:

1kHz、両ch駆動:

1kHz、片ch駆動:
50W+50W(4Ω)
45W+45W(8Ω)
60W+60W(4Ω)
50W+50W(8Ω)
70W/70W(4Ω)
55W/55W(8Ω)
ダイナミックパワー 130W(IHF、8Ω)
全高調波歪率(20Hz~20kHz) 0.1%以下(実効出力時)
0.04%以下(1W出力時)
混変調歪率(70Hz:7kHz=4:1) 0.1%以下(実効出力時)
0.05%以下(1W出力時)
パワーバンド幅(IHF、歪率0.5%) 5Hz~70kHz
周波数特性(1W出力時) Main in:10Hz~100kHz +2 -1dB
Phono(RIAA偏差):30Hz~15kHz ±0.5dB
Aux、Tape PB:10Hz~50kHz +0.5 -1dB
ダンピングファクター 70(1kHz、8Ω)
負荷インピーダンス 4Ω~16Ω
チャンネルセパレーション 60dB
入力感度/インピーダンス Phono1、2:3mV/50kΩ
Mic:3mV/50kΩ
Aux、Tape PB:150mV/45kΩ
Main in:775mV/50kΩ
最大許容入力(1kHz) Phono:240mVrms
Mic:450mVrms
出力レベル/インピーダンス Rec out A/B:150mV/2kΩ
Pre out:775mV/2kΩ
トーンコントロール Bass:±15dB(50Hz)
Treble:±10dB(10kHz)
フィルター Low:20Hz、70Hz(12dB/oct)
High:8kHz(6dB/oct)、ハイブレンド
ラウドネス 等ラウドネスカーブに準ずるコンティニュアスラウドネス
S/N(IHF、Aネットワーク) Main in:100dB以上
Phono1、2:75dB以上
Mic:70dB以上
Aux、Tape PB:90dB以上
<FMチューナー部>
受信周波数 76MHz~90MHz
実用感度(IHF、84MHz) 1.7μV
クワイティングスロープ 50dB(5μV)
60dB(10μV)
イメージ妨害比(84MHz) 100dB
IF妨害比(84MHz) 100dB
スプリアス妨害比(84MHz) 100dB
AM抑圧比 50dB
キャプチャーレシオ 1.0dB
実効選択度(IHF) 80dB
S/N 75dB
全高調波歪率(400Hz) mono:0.15%
stereo:0.3%
ステレオセパレーション(400Hz) 45dB
周波数特性 50Hz~10kHz ±0.5dB
サブキャリア抑圧比 60dB
ミューティング信号レベル 10μV
IF outレベル/インピーダンス 400mV/1kΩ
<AMチューナー部>
受信周波数 525kHz~1,605kHz
実用感度 52dB/m(IHF、バーアンテナ)
S/N(80dB/m) 45dB
イメージ妨害比(1000kHz) 70dB
IF妨害比(1000kHz) 60dB
スプリアス妨害比(1000kHz) 70dB
選択度(1000kHz) 30dB
全高調波歪率 0.8%(80dB/m)
<総合>
使用半導体 IC:2個
トランジスタ:98個
MOS FET:3個
ダイオード:60個
ツェナーダイオード:6個
LED:3個
ACアウトレット switched:2系統、トータル200W
unswitched:2系統、トータル200W
定格消費電力 190W
外形寸法 幅474x高さ158x奥行300mm
重量 14.0kg