WADIA Wadia21
¥680,000(1994年発売)
解説
Wadia6の後継機として開発されたCDプレイヤー。
D/A変換部にはワディア方式のD/Aコンバーターを搭載しています。
Wadia21では2基のAT&T社製DSPチップで構成される演算処理能力36MIPS/演算分解能216dBのCPUと、定評あるデジマスターソフトウェアとのコンビネーションによって一般的なフィルターに頼ることのない補完を行っています。これにより32倍のリ・サンプリングレートと21ビットの高精度を実現しています。
デジタルボリュームで音量を-30dBまで絞った状態でも16ビットを上回る精度が確保され、パワーアンプへのダイレクト接続にも余裕を持って対応しています。
D/A変換後の出力を受け渡すアナログファイナルステージにはスルーレート2,000V/μs、ピーク電流250mA、出力インピーダンス1Ω以下を誇る出力バッファ回路を搭載しています。
メカニズム部にはVRDSメカニズムの最新バージョンであるCMK-4を採用しています。
VRDS方式は僅かなテーパーを持ったディスクと同径のターンテーブルをディスクに圧着することでディスク個々の反りや歪を矯正し、しかも演奏時の振動や共振を排除して信号の読み取り精度を向上させています。
CMK-4ではターンテーブルを支えるブリッジ部を新設計の肉厚補強リブ構造とし、ブリッジ及びメカベースの材質に高精度・高比重の特殊高分子素材を採用したうえでメカニズム全体を専用サブシャーシによってフローティングするなどの振動対策が施されています。
ピックアップからの微小なピット信号を増幅するRFアンプは、伝送ロスを排除するためにメイン基板から独立させてピックアップの至近距離へ配置しています。
シャーシ構造にはスーパーデチューンド・エンクロージャーを採用しており、有害なジッターの原因となる筐体内部の電磁的共振を分散することで相互干渉による音質劣化を排除しています。
このシャーシは航空機用コンピューターグレードのアルミニウム合金パネルと、上下に貫通したスタッドとで構築される強固なエンクロージャーをレンツの法則に基づいてデチューニングしたもので、素材や基板配置、表面処理に至るまでWadia2000以来の筐体設計技術を駆使することで微細なジッターを排除しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
| 型式 | CDプレイヤー |
| <トランスポート部> | |
| CDドライブメカニズム | VRDS |
| 量子化ビット数 | 16ビット/チャンネル |
| 変調方式 | EFM |
| 誤り訂正方式 | CIRC |
| ピックアップ | 光学式3ビーム方式 AlGaAs半導体レーザー 波長780nm |
| デジタル出力 | 4系統(ST、TOS、同軸(BNC)、AES/EBU(XLR)) |
| <D/Aコンバーター部> | |
| デコーディングソフトウェア | ディジマスター |
| リ・サンプリングレート | 32倍 |
| 分解能 | 21ビット |
| デジタルボリューム・コントロールレンジ | 50dB |
| 出力帯域幅 | DC~20kHz |
| パスバンドリップル | 0(モノトニック) |
| チャンネル位相差 | 0.5゜以下(10kHz) |
| チャンネルセパレーション | 100dB以上(1kHz) |
| CPU能力 | 36MIPS、計算能力216dB(36ビット) |
| 位相反転 | デジタル領域 |
| 出力バッファ | モノリシック |
| ピーク出力電流 | 250mA |
| 出力バッファスルーレート | 2,000V/μsec |
| 出力レベル(0dB基準) | 4.5Vrms |
| オーディオ出力 | 2系統(バランス(XLR)、アンバランス(RCA)) |
| <総合> | |
| 電源 | トロイダルトランス、AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 25W |
| 筐体 | スーパーデチューンド・エンクロージャー 航空機用コンピューターグレード・アルミニウムプレート使用 レンツの法則にみられる筐体内電磁共振を排除 側板表皮効果トランジション@<20Hz |
| 外形寸法 | 幅350x高さ180x奥行408mm ポイント受けベース使用時:高さ183mm |
| 重量 | 17kg |
| 付属 | リモコン ポイント受けベース(4個) |
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