オーディオの足跡

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Wadia9の画像
 解説 

フラグシップと呼ぶにふさわしいデコーディングコンピューターの新たな最高峰モデルとして開発されたD/Aコンバーター。

デジタル信号処理部には2基のAT&T3210DSPチップを使用しており、CPU演算能力は128MIPS、演算分解能は40ビット(240dB)を達成しています。また、D/A変換部はワディア独自の完全バランス構成となっており、チャンネル当たり4基のバーブラウンPCM63コリニアDACを搭載しています。
これらの構成によってディジマスター・ソフトウェアによる64倍リサンプリングダイレクトD/A変換が高い精度で行われています。

高能力I/V変換デバイスを採用しています。
この回路はスピーカーをD/Aコンバーターでダイレクトに駆動するパワーDAC技術を応用したもので、音質面での最後のネックとなっていたアナログ出力回路を信号ラインから追放しています。
また、最大22ビットの分解能を誇るデジタルボリュームを搭載することでコントロールアンプを排除し、パワーアンプとの直結を実現しています。

デジタル入力段にはワディアの従来の考え方をさらに推し進めたフルエラスティックメモリー方式によるタイムベースコレクション回路を搭載しており、入力情報は100万分の1(1ppm)という精度でクロック合うとされ、トランスポート、伝送、クロックリカバリーにおけるジッターもここで全て除去されています。
この方式では、入力されたデジタル信号は一旦メモリーバッファーに取り込まれた後、完全な精度にリクロックされてから出力されます。この回路に使用されるメモリーバッファーは64kBの容量を持っており、サンプリング周波数44.1kHz、CDトランスポートの出力をレベル1クオリティと仮定した場合、最大76分のコンパクト・ディスクの全長においてサンプリング周波数の±54ppmまでのエラーを処理することができます。これは実用上では余裕ある数値で、メモリー容量もこうした計算から割り出されたものとなっています。このためいかなる場合でもメモリーがオーバーフローする心配がありません。

デジタル音声方式のビデオディスクや衛星放送の視聴時には音声もリアルタイムでリスニングしますが、そs−スに含まれるデジタル信号の精度によってはタイムベースコレクションに伴う音声の微妙な遅延が生じる場合があります。
これに対処するため、Wadia9ではワイヤレスリモコンによってタイムベースコレクション回路をキャンセルすることが可能です。この状態でもワディア独自のクロックロック機構によってジッター抑圧効果は得られます。

フロントパネルにはマルチディスプレイを搭載しています。
このディスプレイではタイムベースコレクションのオン/オフをはじめ、デジタルボリュームレベル、ソースの種類、サンプリングレートなどの情報を表示します。

入力端子にはSTタイプ光端子を3系統装備しています。

筐体構造にはスーパーソリッドエンクロージャーを採用しています。
これは筐体内部での電磁的共振によって発生するジッターに着目したもので、ジッター発生の主原因となる筐体の継ぎ目や直角コーナーを排除するため、エンクロージャーと同じ大きさのアルミブロックを、内側コーナー全てに適切なカーブを付けながら切削加工して作られています。また、内部はDSP部、左右D/A変換、出力部、タイムベースコレクション部がそれぞれ独立した個室となっており、各室の壁面の厚みも所定の電磁特性が得られるよう解析結果をもとに調整されています。
また、機械振動への新たな対策として、筐体を従来とは裏返しにしており、基板やトランスなどを天板から吊り下げる構造としています。

脚部には微調整可能ピンポイントタイプの脚部を採用しています。

電源ユニットは独立した構成を採用しています。
内部はデジタル部と左右チャンネルD/A変換部専用に合計3基の大容量トロイダルトランスを配置た構成となっています。また、筐体内部は3基のトランスとそれぞれのレギュレーター基板、AC入力部の合計7つの個室に仕切られており、本体と全く同等の電磁的共振に対する対策が施されています。

本体と同様のアルミブロック削り出し加工が施されたワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンではシステムリモート機能を持ったワディア製品の集中制御が可能です。

機種の定格
型式 D/Aコンバーター
デコーディング方式 ディジマスターソフトウェア
DSPにて16倍スプライン リサンプリング後、
DACにて1次ラグランジュ4倍リサンプリングを遂行
リサンプリングレート 64倍
分解能 22ビット
出力帯域幅 DC~20kHz
バスアンドリップル 0
CPU能力 128MIPS
演算分解能 240dB(40ビット)
対応サンプリングレート 48、44.1、32kHz(自動識別)
リクロッキング フルエラスティックメモリー方式タイムベースコレクション
位相反転 デジタル領域
アナログ出力方式 高出力I/V変換デバイスによるダイレクトカップリング構成
出力レベル 13dBV(0dB基準)
チャンネルセパレーション 110dB以上(1kHz)
デジタル入力 STリンク光:3系統
オーディオ出力 バランス(XLR)、アンバランス(RCA)各1系統
出力インピーダンス 1Ω以下
PC基板 11層信号搬送基板4枚、大型多層電力パターン
アップデート プログラマブルゲートアレイチップにてハードウェアアップデート可能
ROMチップにてソフトウェア・アップデート可能
筐体 スーパーソリッドエンクロージャー
航空機用コンピュータークオリティ無垢アルミブロック切削加工
レンツの法則に基づく渦流共振をデチューニング
側板表皮効果トランジション:<20Hz
(本体、電源ユニットとも)
電源 3トロイダルトランス、AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 25W
外形寸法 本体:幅432x高さ92x奥行356mm
電源:幅432x高さ92x奥行229mm
ポイント受けベース使用時 本体:高さ96mm
電源:高さ96mm
リモコン:幅216x高さ47x奥行153mm
重量 本体:9.5kg
電源:8.6kg
リモコン:1.2kg
付属 多機能ワイヤレスリモコン
62.5μST石英光ファイバーケーブル(3m)
ポイント受けベース(8個)