VICTOR T-X900
¥64,800(1985年頃)
解説
先進のコンピューター受信技術を駆使して開発されたFM/AMチューナー。
T-X900ではFMアンテナの最適方向をコンピューターでメモリー制御できます。
指定のローテーター(江本アンテナ製エモテーター202VF)を接続することで、受信局ごとにFMアンテナの向きを切換えることができます。FLディスプレイをdBモードにし、最大値となるように方向を決定し、局ごとにメモリーさせておけば、ステーションキーを押して選択するだけで自動的にアンテナが回転します。また、2本のアンテナを接続することができ、アンテナの切換えもメモリーできます。2系統の入力回路のアイソレーションについても十分に配慮がされています。
チューナー自身の動作モードは、シグナル強度と妨害波の有無に応じてFM SENS(RFアッテネーター)がDXまたは-10dB、-25dBへ自動的に切換えられ、IF帯域やQSCも同時にセットされます。これらの設定はすべてメモリーに記憶されるため、ステーションキーを押すだけでのワンタッチで安定した受信条件が得られます。
FM10局/AM10局の20局プリセットメモリーを搭載しており、オートメモリーによって自動的にプリセットできます。
また、FM/AMランダムに7局までのプログラムが可能となっており、タイマーとテープデッキを接続することで7局までの留守録音が可能です。
バックアップ機能を搭載しており、全てのメモリーは無電源でも1週間消えません。
FMフロントエンドにはガリウムFETを採用しており、高感度・高S/N・低歪率を追求しています。
さらに、DC構成の高リニアリティ検波回路やMPX回路など、チューナーとしての基本性能を入念に高めています。
ビクター独自のフルスタティックシンセサイザーシステムを採用しており、発光表示系とマイコン・キー入力部のパルスノイズを追放しています。
アンテナ入力レベルのデジタル表示機能を搭載しており、正確な1dBステップ表示が可能です。
エアチェックのレベル設定用として333Hzレコーディングキャリブレーターを搭載しています。
ST.QSCスイッチを搭載しており、FMのステレオ実用感度を約2倍に向上させることができます。
新開発回路を採用することでAM放送の音質を改善しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
50dBクワイティング感度(75Ω) | mono:1.8μV/16.4dBf stereo:9.8μV/31.0dBf(QSC AUTO) |
実用感度(75Ω) | 0.95μV/10.8dBf |
SN比 | mono:88dB stereo:82dB |
全高調波歪率(1kHz) | mono:0.04% stereo:0.06% |
キャプチャーレシオ(IHF) | 1.0dB |
実効選択度(IHF) | normal:30dB narrow:90dB |
イメージ妨害比(IHF) | 80dB |
AM抑圧比(IHF) | 65dB |
ステレオセパレーション(1kHz) | 60dB |
周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.3 -0.6dB |
アンテナ入力インピーダンス | 75Ω不平衡 |
出力信号レベル | 600mV/2.2kΩ |
Rec cal出力レベル | FMの約50%変調相当(約333Hz) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 522~1,611kHz |
実用感度(外部アンテナ) | 20μV |
全高調波歪率 | 0.3% |
SN比 | 50dB |
選択度 | 30dB(±9kHz) |
イメージ妨害比 | 40dB |
IF妨害比 | 65dB |
出力信号レベル | 200mV/2.4kΩ(30%変調時) |
<その他> | |
アンテナ回転精度 | メモリー角度に対し約±15度(エモテーター202VF使用時) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 11W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅435x高さ77x奥行298mm |
重量 | 3.8kg |