VICTOR XL-105
¥40,000(1990年頃)
解説
Mezzo Prezioシリーズの幅217mmの1/2サイズCDプレイヤー。
D/A変換部にはビクター独自の1ビットDD(Digital Direct)コンバーターを採用しています。
この方式ではデジタル信号を水晶クロックに基づいて変化する1ビット動作のパルス波に変えて直接アナログ変換しており、従来のラダー型コンバーターでは取り除けなかったゼロクロス歪が原理的に発生しません。これにより微小レベルの再生能力を大幅に高めています。
1ビットDACでは16ビット精度のデータを1ビット動作のパルス波で表現するためビット圧縮が必要になりますが、この際に圧縮に伴う誤差が発生します。この誤差を改善して元の入力データの精度に近づけるためにノイズシェーパーが必要となります。このノイズシェーパーは次数を高めるほど改善度が向上しますが、安定度などの制約から従来は3次が限度でした。XL-105ではビクター独自の技術によって4次のノイズシェーピングを可能にしたVANS方式ノイズシェーパーを搭載しており、データ誤差を排除しています。
アナログ変換時にはPEM(Pulse Edge Modulation)回路を採用しています。この回路では2つのパルス波を作り出し、各々の立ち上がりと立ち下がりの時間差を使うことで高い表現力を実現しており、従来の2倍以上の高分解能・高精度を獲得しています。
2モードのエディティングシステムを搭載しており、テープ録音の際に活用できます。
オートエディットではマイコンまかせで曲順通りにワンタッチ編集を行います。プログラムエディットでは好みの曲順でプログラムできます。
ランダム再生機能を搭載しています。
光デジタル出力を搭載しています。
最大32曲のプログラム再生、全曲/1曲/プログラム曲のりピート機能を搭載しています。
8cmディスクに対応したCDシングル対応トレイを採用しています。
カードリモコンが付属しています。
このリモコンではトレイのオープン/クローズをはじめ、10キーによるダイレクト選曲も可能です。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
周波数特性 | 4Hz~20kHz |
ダイナミックレンジ | 98dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.0025%(EIAJ) |
S/N比 | 106dB以上(EIAJ) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | 幅217x高さ76x奥行311.5mm |
重量 | 3.3kg |
付属 | カードリモコン |