VICTOR TD-WR99
¥84,800(1985年頃)
解説
オートエディター機能を搭載したツイン録再・クイックリバースデッキ。
DD-VR77に採用されたマルチ・エディター機能をさらに発展させたオート・エディター機能を搭載しています。
この機能では、録音済みテープの不要部分の2点間を指定すると自動的にその部分を消去できます。消し方は、アフターフェードアウト→フェードイン、カットアウト→カットイン、フェードとカットの組合せなど、自由に行えます。
電子カウンターをエディターモードにすると、0から9までのプログラムボタンのうち、0、1、5、6がそれぞれフェードアウトボタン、フェードインボタン、カットアウトボタン、カットインボタンとして機能します。テープを再生しながら不要部分がきたらストップしてフェードアウト(またはカットアウト)ボタンを押し、必要な部分に来たらストップしてフェードイン(またはカットイン)ボタンを押し、スタートボタンを押すと自動的にフェードアウトボタンを押したところまで巻き戻され、不要部分を消去します。
フェードアウト、フェードイン時間はメタルテープで約5秒(デッキI)となっています。
テープA/B面各15曲、合計30曲までプログラム選曲再生できるランダム・アクセス・プログラム選曲機構を搭載しています。
この機構には交互指定機能を装備しており、A面からB面へ、またB面からA面への指定も可能です。再生時にA/B面が切替ってもそのつどテープの頭まで戻ることなく、一旦走行した場所にあった曲は完全にメモリーされており、プログラムされた順にその曲へ直行します。
デッキIからデッキIIへのダビングは、定速/倍速ともにワンタッチで行えます。
また、ランダム・プログラム選曲後にダビングボタンを押すと、ランダム・プログラム・ダビングも可能です(デッキII)
ツイン・クイックリバース機構を採用しており、3時間連続留守録(C-90x2本)をはじめ、デッキI/デッキII交互連続録音、デッキI/デッキII同時録音が可能です。
リバース機構にはファインアクシス・リバース・システムを採用しており、往路と復路の正確なアジマス調整や、マイコンによる確実な反転動作、初期性能を長期間維持する耐久性を備えています。
アンプ回路にはDCアンプ構成を採用しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB/C NRシステムを搭載しています。
ワンタッチで3つのモードが切替表示される新開発電子カウンターを搭載しています。
カウンターモードでは、デッキI/デッキII切替スイッチの操作で表示切替が可能です。また、表示していない方のデッキについても内部カウンターでカウントされています。
プログラムモードでは、ランダム・アクセス・プログラムの各種情報が表示されます。また、シフトボタンの併用によってプログラム・インデックス・スキャンも可能です。
エディターモードではオートエディターの動作状況を確認できます。
シフトボタンによってメカ操作の動作を変えるコンピューターシフトコントロール機能を搭載しています。
シフトボタンを押しながらレックミュートボタンを押すとオートフェードが可能です。フェードイン/アウト時間は約5秒となっています。
シフトボタンとFFボタンの同時押しでインデックススキャンとなり、曲の頭を約10秒ずつ次々に再生できます。また、9秒以下なら再生時間の任意設定も可能です。
シフトボタンを押しながらプレイボタンを押すとブランクスキップとなり、再生中およそ10秒以上のブランクがあった場合、FFスキャンで早送りします。
シフトボタンを押しながらREWを押すとリワインドオートプレイとなり、巻戻し後、最初の曲の頭から再生に入ります。
シフトボタンとポーズボタンを同時押しするとブランクサーチとなり、FF状態でおよそ14秒のブランクを見つけた場合、前の曲の終わりまで戻り、約4秒のブランクを再生してストップします。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ヘッド(デッキI/II共) | 録音/再生:メタパーム・コンビネーション 消去:2ギャップフェライト |
モーター(デッキI/II共) | キャプスタン・リール:電子制御DCモーター FF/REW用:DCモーター メカニズム駆動用:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.10% Wpeak(EIAJ) 0.05% WRMS |
周波数特性(EIAJ) | メタル:30Hz~16kHz ±3dB(-20dB録音) |
SN比(EIAJ) | 54dB(メタル) |
最大外形寸法 | 幅340x高さ119x奥行300mm |
重量 | 約5.3kg |