VICTOR TD-V66
¥69,800(1985年頃)
解説
ワンウェイ・ディスクリート3ヘッドシステムを採用したステレオカセットデッキ。
メカニズム部には、キャプスタンモーターを独立させた2モーター・フルロジック・コントロールメカを改良して採用しています。
TD-V66では慣性質量を倍にした大型フライホイールを採用しています。また、キャプスタンシャフトやピンチローラーなど、部品精度のきめ細かな見直しがされており、さらにスラビライザーウェイトによってリールの微振動を押さえています。
ヘッドブロックは独立3ヘッド構成となっており、ソリッド・キャスティング・ハウジングで強固に防振マウントしています。
信号系には伝送効率の高いOFC(無酸素銅)材を採用しています。
録音・再生それぞれのヘッド巻線をはじめとして、リード・ワイヤーからメイン基板まで、信号ラインを全面的にOFC化することで、ピュアな信号伝送を追及しています。
録音系や再生系、ヘッドホンアンプなどの信号回路にはDCアンプ構成を採用しており、歪やノイズ、位相変化の原因になりやすいコンデンサーを可能な限り排除しています。
また、DC構成に合わせて安定度を高めるため、電源部には、アース電位が常にゼロとなるようにプラス側とマイナス側が連携して動作するトラッキング電源を採用しています。また、シャント・レギュレーター制御によって出力インピーダンスを従来機の約1/100に下げた定電圧回路を採用しています。
録音ヘッドには最大磁束密度の高いSAヘッドを採用しています。
主要回路には、高域特性が良く、電極の振動などによる音質劣化も少ない積層形のフィルムコンデンサーを採用しています。
また、入力と出力のピンジャックにも経時変化を避ける金メッキが施されています。
入力レベルの最大値をマイコン制御によってFLディスプレイに表示するデジタルピーク機能を搭載しています。ピーク時間は約2秒で、+1dBから11dBまでは1dBステップ、12dB以上はOVER12、0dB以下はUNDER0で表示します。
また、最大値をメモリーでき、いつでもCALLボタンで呼び出す事ができ、録音フェーダーのdB目盛と直接対比することで高精度なレベルセッティングが可能です。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド | 録音:SA 再生:メタパーム 消去:2ギャップフェライト |
モーター | キャプスタン・リール:電子制御DCモーター FF/REW用:DCモーター メカニズム駆動用:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.08% Wpeak(EIAJ) 0.038% WRMS |
周波数特性(EIAJ) | メタル:20Hz~21kHz ±3dB(-20dB録音) |
SN比(EIAJ) | 54dB(メタル) |
最大外形寸法 | 幅435x高さ110x奥行282mm |
重量 | 約4.8kg |