VICTOR TD-5000SA
¥198,000(1977年頃)
解説
SAヘッドを採用したステレオテープデッキ。
録音用と再生用ヘッドにはSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。
このヘッドは業務用に供給してきたSFヘッドを発展させたもので、パーマロイ・コアのテープ摺動面に高硬度センダスト合金を蒸着することによって、これまで至難とされてきた磁気特性と耐摩耗性の両立を実現しています。
基準入力+55dBの大入力に耐えるマイクアンプ回路をはじめ、全回路がテープのダイナミックレンジに対して十分な余裕をもつ高リニアリティ設計を採用しています。
また、38cm/secの録音イコライザーには、ヨーロッパ系の業務用機器に広く使われているSN比に優れたIECカーブを採用しています。再生イコライザーはIECとNABの2段切換式となっています。
バックテンションを一定に保つことでテープ走行の安定性を高めるため、オートマチックテンションコントロールシステムを搭載しています。
この回路では、サプライリールの回転速度を光電式パルス検出機構でカウントし、モーターの駆動電流をテープの残量に応じて制御しています。これにより、7号リールの場合で通常3倍近く変動するテンションがほぼ平均化され、無理な張力によるテープの損傷も防いでいます。
純電子式ICロジック・コントロール回路に加えて、FF/REWからPLAYにただちに移行できるモーション・センサー回路を内蔵しています。オートマチックテンションコントロールのパルス検出部を利用することで、サプライリールがストップすると同時に回路が働き、タイムラグ無しでPLAYに移行できます。
サプライ側にはワンウェイ・ダンプ・テンションアーム、テイクアップ側にはダブル・アクション・テンションアームを採用しています。どちらのテンションアームもロック付きでテープの装着や編集作業が容易に行えます。
上下ダブル・サポート・キャプスタンを採用しており、安定度を高めています。
基準発振器も内蔵したノーマル/バリアブル切換式のバイアスアジャストシステムを搭載しています。
レベル干渉の無いMic/Line加算型OPアンプ・ミキサー回路を採用しています。
-30dB~+10dBのワイドスケール・ミラー付きVUメーターを搭載しています。
高さ補正が不要な新型10号リールアダプターを搭載しています。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
モーター | キャプスタン用:4-8極2スピード・ヒステリシスシンクロナスモーターx1 リール用:6極インダクションモーターx2 |
使用リール | 最大10号 |
テープ速度 | 38cm/s、19cm/s |
周波数特性 | 20Hz~38kHz(SFテープ、38cm/s、0VU録音時) |
SN比 | 65dB(JIS) 58dB(ピークレベル) |
ワウ・フラッター | 38cm/s:0.03%(WRMS) 19cm/s:0.05%(WRMS) |
外形寸法 | 幅454x高さ450x奥行237mm |
重量 | 23.5kg |