VICTOR KD-D55
¥59,800(1981年発売)
解説
ドルビーC NRや4デジカウンターを搭載した3ヘッドカセットデッキ。
多機能4デジ・カウンターを搭載しています。
このカウンターではテープの残り時間を分秒単位で表示でき、残り6分までは分単位の表示、残り5分59秒からは自動的に分秒単位に切替ります。この回路はカセットハーフの送り出し側ハブの回転数をマグネットとホール素子で検出する構造となっており、テープ残量の減少につれて早くなるハブの回転数をパルス検出しマイクロコンピューターによって残量時間を計算しています。また、カセットハーフのハブサイズやテープ厚の違いによる残量時間の変動が少なくなるようC46ラージテープ/C46・C60/C90/C120の切替スイッチがついています。メタルテープは他のテープとテープ厚が異なりますが、テープセレクトスイッチをメタルポジションにすることによって自動的に対応できるようになっています。
この機能では、20曲飛び越し選曲やストップウォッチ、メモリースイッチとも連動した4桁電子カウンターとして使用できます。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーC NRとANRS(ドルビーB NR)を搭載しています。
ドルビーCは回路的には2段スライディング・バンド方式を採用しています。スライディング・バンドとは信号のレベルによって圧縮伸長する周波数を変える方式で、ブリージング(息づき現象)低減に効果があり、しかも有信号時のSN比や過渡特性に優れています。
ノイズリダクション帯域は中高域にわたって従来より広くとってあり、高いノイズ低減効果を得ています。また、高域リニアリティを改善する機能も持っており、高域特性をさらに改善しています。
さらに、新開発のドルビーC標準ICを採用することで、動作がさらに安定し信頼性が向上しています。
メカニズム用には電子制御DCモーターを採用しています。
録音・再生ヘッドにはメタパームヘッドを用いたコンビネーションヘッドを採用しています。
また、消去ヘッドには2ギャップフェライトヘッドを採用しています。
アウトプットボリュームを搭載しています。
レックミュート機構を搭載しています。
フルロジックコントロールを搭載しています。
タイマースタート機構を搭載しています。
ピーク表示式の7点LEDレベルインジケーターを搭載しています。
ヘッドホン端子とマイク端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ | ||
ヘッド | 録音:メタパーム 再生:メタパーム 消去:2ギャップフェライト |
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モーター | 電子制御DCモーター | ||
ワウ・フラッター | ±0.10%(Wpeak、EIAJ) 0.05%(WRMS) |
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早巻時間 | 約110秒(C-60) | ||
周波数特性 |
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周波数範囲(-20dB録音) | メタル:20Hz~20kHz VX/クローム:20Hz~20kHz ノーマル:20Hz~19kHz |
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SN比 | NR off:54dB(メタル) 58dB(WTD、1kHz、3%3次高調波歪率、メタル) ANRS/Dolby B on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 Dolby C on:500Hzで約15dB、1kHz~10kHzで最大20dB向上 MOL改善効果:10kHzで4dB向上 |
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歪率(EIAJ) | 0.5%(1kHz、3次高調波歪率、メタルテープ) | ||
チャンネルセパレーション | 40dB(1kHz) | ||
クロストーク(EIAJ) | 60dB(250Hz) | ||
入力端子 | Line:80mV/80kΩ Mic:0.2mV(-74dBV)/600Ω~10kΩ適合 |
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出力端子 | Line:0~0.5V/6kΩ Headphone:0~0.6mW/8Ω(8Ω~1kΩ適合) |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 16W | ||
最大外形寸法 | 幅435x高さ109x奥行288mm | ||
重量 | 約4.7kg |