VICTOR KD-770SA
¥79,800(1977年頃)
解説
スーパーANRSを搭載した平型ステレオカセットデッキ。
ビクター独自のノイズリダクションシステムとしてANRSとスーパーANRSを搭載しています。
ANRSでは、録音時に入力信号の高域をあらかじめ持ち上げておき、再生時に元に戻してフラットにすることで相対的にテープヒスのレベルだけを低下させ、SN比を改善しています。そしてスーパーANRSはANRSの原理をさらに発展させたもので、ノイズ低減効果に加えて周波数特性や歪率を改善しています。
録再ヘッドにはSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。
センアロイは、最大磁束密度が高い、バルクハウゼンノイズが少ない、キューリー点が高く温度特性が安定している、材料特性の劣化が少ないなどの特徴を持っています。しかし、ブロックコアで使用すると渦電流損失などのヘッド損失が大きいため、高域周波数特性が悪化しやすく、パーマロイ積層ラミネートにするにはあまりにも堅すぎるという問題点もありました。
SAヘッドでは、パーマロイ積層ラミネートコアのテープ摺動面にセンアロイ・チップを高温接着した複合構造とすることでセンアロイのヘッド化を実現し、優れた再生を可能にしています。
メカニズムにはFGサーボDCモーターを用いたIDメカを採用しています。
この方式ではキャプスタンの駆動ベルトを他の駆動系から独立させることで、テイクアップホイールなどからの干渉を効果的に遮断し、テープ走行を安定させています。また、
5点ピークインジケーターを搭載しています。
別売でダストカバーがありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
周波数特性 | 20Hz~18kHz(クローム) |
SN比 | ANRS off:56dB(JIS) 52dB(ピークレベル時) ANRS on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 |
ワウ・フラッター | 0.05%(WRMS) |
モーター | FGサーボDCモーター |
外形寸法 | 幅420x高さ126x奥行277mm |
重量 | 5.5kg |
別売 | ダストカバー UN-77(¥2,400) |