VICTOR KD-55SA
¥61,800(1978年頃)
解説
スーパーANRSを搭載したカセットデッキ。
録再ヘッドにはSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。
センアロイは、最大磁束密度が高い、バルクハウゼンノイズが少ない、キューリー点が高く温度特性が安定している、材料特性の劣化が少ないなどの特徴を持っています。しかし、ブロックコアで使用すると渦電流損失などのヘッド損失が大きいため、高域周波数特性が悪化しやすく、パーマロイ積層ラミネートにするにはあまりにも堅すぎるという問題点もありました。
SAヘッドでは、パーマロイ積層ラミネートコアのテープ摺動面にセンアロイ・チップを高温接着した複合構造とすることでセンアロイのヘッド化を実現し、優れた再生を可能にしています。
消去ヘッドにはダブルギャップフェライトヘッドを採用しています。
5段階の録音イコライザーによって高域周波数特性の補正が可能です。
大型フライホイールを用いた新メカニズムによって低ワウ・フラッターを実現しています。
5点ピークインジケーターを搭載しています。
ギアオイルダンプカセットドアを採用しています。
Mic、Din、Lineの各端子特性を生かす自動入力切換方式を採用しています。
独自のノイズリダクションシステムであるANRSとスーパーANRSを搭載しています。
スーパーANRSは、ローレベル時の高域雑音低減機能を持つANRSにハイレベル時の高域クリッピング・レベルを高める機能を追加したもので、録再ダイナミックレンジを拡大しています。
タイマースタンバイ機構を搭載しており、別売タイマーを組み合わせることで留守録音や目覚まし再生が可能です。
別売でBTSラックハンドルがありました。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
周波数特性 | 20Hz~18kHz(VX/クローム) 20Hz~17kHz(SF/ノーマル) |
SN比 | ANRS off:58dB(WTD、VXテープ、3%THD) ANRS on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 |
ワウ・フラッター | 0.06%(WRMS) |
外形寸法 | 幅420x高さ149x奥行264mm 幅480x高さ149x奥行275mm(ラックハンドル装着時) |
重量 | 5.6kg |
別売 | BTSラックハンドル BH-140(¥3,800) |