VICTOR KD-2
¥69,800(1976年頃)
解説
操作性と音質を追求したナマロクデッキ。
ノイズリダクションシステムとしてスーパーANRSを搭載しています。
スーパーANRSは、ローレベル時の高域雑音低減機能を持つANRSにハイレベル時の高域クリッピング・レベルを高める機能を追加したもので、録再ダイナミックレンジを拡大しています。
駆動モーターには新開発のコアレスモーターを採用しています。
このモーターはKD-3やKD-4のモーターからさらに軽量化を実現したモーターで、6Vでの動作が可能です。小型軽量、省電力、長寿命を実現することで、単一乾電池(SUM-IU)4本で最長12時間の連続録音を可能にしています。
録再ヘッドにはSA(センアロイ)ヘッドを採用しています。
センダスト合金は、最大磁束密度が高い、バルクハウゼンノイズが少ない、キューリー点が高く温度特性が安定している、材料特性の劣化が少ないなどの特徴を持っています。しかし、ブロックコアで使用すると渦電流損失などのヘッド損失が大きいため、高域周波数特性が悪化しやすく、パーマロイ積層ラミネートにするにはあまりにも堅すぎるという問題点もありました。
SAヘッドでは、パーマロイ積層ラミネートコアのテープ摺動面にセンダスト合金チップを高温接着した複合構造とすることでセンアロイのヘッド化を実現し、優れた再生を可能にしています。
消去ヘッドにはダブルギャップフェライトヘッドを採用しています。
カセットホルダーにはデュアル・ボール・ホルダーを採用しています。
このホルダーでは高硬度スチールボールが左右からカセットハーフをしっかり抑え込むことでテープ走行の安定性を高めています。
アンプ回路は高リニアリティDC-DCコンバーターによる安定昇圧によってダイナミックレンジを拡大しています。
左右の独立した録音ボリュームに加えて左右連動の録音専用マスターボリュームを搭載しています。
肩掛けベルトが付属しています。
別売でキャリングケースがありました。
機種の定格
型式 | ナマロク・コンポカセットデッキ |
ヘッド | 録再:SA(センアロイ)ヘッドx1 消去:ダブルギャップフェライト1 |
モーター | DCコアレス・モーター |
周波数特性 | クローム:25Hz~18kHz(45Hz~16kHz ±3dB) SF:25Hz~17kHz(45Hz~15kHz ±3dB) |
SN比 | ANRS off: 57dB(JIS) 54dB(ピークレベル時) ANRS on:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善 |
Super ANRSの効果(SF) | 周波数特性の改善 (0VU録音時):10kHzで6dB改善 (+5VU録音時):10kHzで12dB改善 歪率の改善 (0VU録音時):10kHzで3%以下に改善 (+5VU録音時):10kHzで3%以下に改善 |
クロストーク | 65dB(1kHz、録再飽和レベル) |
歪率 | 1.2%(SFテープ、1kHz、0VU録音) |
ワウ・フラッター | 0.09%(WRMS) |
録音バイアス | 95kHz |
使用半導体 | IC:4個 トランジスタ:37個 ダイオード:25個 SCR:1個(モーター部含む) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz 外部DC6V 内部乾電池6V(SUM-Ix4) |
消費電力 | 5W(AC100V、50Hz/60Hz時) |
外形寸法 | 幅276x高さ95x奥行289mm |
重量 | 3.85kg(電池含む) 3.45kg(電池含まず) |
付属 | 肩掛けベルト |
別売 | キャリングケース CB-2(¥4,000) |