VICTOR X-1
¥25,000(1975年頃)
解説
CD-4で得られた成果と数々の技術を投入して開発されたMM型カートリッジ。
優れた素材を駆使することによって諸特性を向上させるだけでなく、測定法自体を再検討することで、これまでとり落とされていた部分に解析をすすめ、完成度を高めてます。
針先には日本ビクターが開発したシバタ針を採用してます。X-1では0.15mm角の微小ダイア・チップを採用しており、振動子の等価質量もきわめて小さく、60kHzの高域再生が可能になっています。
カンチレバーには軽くて硬いベリリムを採用しており、振動伝達ロスを抑え超高域まで剛性を保っています。
ワンポイント・サスペンション方式を採用しており、極細い線で振動子を支え、センター・ホールド・ブッシングで固定する構造により、振動支点が明確になり、混変調歪を抑えています。
マグネットには、比重が小さくてエネルギー積の大きなサマリューム・コバルト・マグネットを採用しており、振動子の軽量化を図りながら安定した出力を得ています。
発電部のコアには薄いパーマロイ材を貼りあわせたラミネート・コアを採用しており、さらに開口部の短縮など磁気回路の改良につとめて、損失を低減しています。
機種の定格
型式 | MM型カートリッジ |
針先 | 0.15mm角シバタ針 |
出力電圧 | 2.7mV(1kHz、50mm/sec) |
出力バランス | 1.0dB以内 |
セパレーション | 25dB以上(1kHz) 20dB以上(30kHz) |
電気インピーダンス | 2.2kΩ |
直流抵抗 | 470Ω |
コンプライアンス | 12x10-6cm/dyne(レコードで測定、100Hz) |
負荷抵抗 | 47kΩ~100kΩ |
針圧 | 1.7g±0.15g |
周波数特性 | 10Hz~60kHz |
取付寸法 | JIS規格に準ずる |
自重 | 6g |