VICTOR MC-L10
¥60,000(1981年頃)
解説
ダイレクト・カップル方式を採用したラボラトリーシリーズのMC型カートリッジ。
ダイレクト・カップル方式を採用しており、コイルを針先の近くに設置することで、カンチレバーによる伝送損失を抑えています。
この方式では巻線型コイルは大きく重すぎるため使用できません。そこでMC-L10では、LSIの製法を応用して開発されたマイクロコイルを採用しています。このコイルは巻線型コイルの1/100の重さしかなく、針先とコイルの直結化を可能にしています。
従来のダイレクト・カップル方式MC型では、針先からコイルまでの距離は、通常のカートリッジの約1/3の距離にあたる1.5mmの位置となっていましたが、MC-L10では距離をさらに2/3縮め1.0mmとしています。
コイルを近づけることで実効質量が増加し特性やトレース性能が劣化するのを防ぐため、振動系の全面的な再設計がされています。
ベリリウム材のカンチレバーは強いテーパー加工によって質量を低減しながら剛性を高め、サスペンションやコイルの固定法の一新とあいまって伝送損失を広帯域で低減してます。さらに、従来のダイレクト・カップル方式MC型に比べて10%以上の軽量化を実現しています。
機種の定格
型式 | MC型カートリッジ |
出力電圧 | 0.25mV(1kHz、5cm/sec.) |
出力バランス | 1.0dB以内 |
周波数特性 | 10Hz~50kHz |
チャンネルセパレーション | 27dB(1kHz) |
インピーダンス | 30Ω |
負荷抵抗 | 30Ω以上 |
ダイナミック・コンプライアンス | 8x10-6cm/dyne(100Hz) |
適正針圧 | 1.5±0.15g |
針先 | シバタmkIII針 |
自重 | 8.7g |
針交換 | 販売店またはビクターサービスにて有料交換 |