オーディオの足跡

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JP-V1000の画像
 解説 

スタジオなどの業務用向けに特別開発されたラボラトリー1000シリーズの4chコントロールアンプ。

ラボラトリー1000シリーズは、ビクター・ラボセンターの選ばれたスタッフによって設計・製作されており、全機実測データで特性が補償され、さらに目的に応じた若干の仕様変更も可能となっています。
また、全てに信頼度の高いパーツを使用したうえ、1本の抵抗、1個のツマミに至るまでチェックがされています。

JP-V1000は、4系統のSEAコントローラーをはじめとした多くのファンクションを搭載しており、2チャンネルにも4チャンネルにも対応した制御機能を搭載しています。また、増幅段全体に徹底定な特性追求とヒアリングで完成した独自の回路方式を採用しており、忠実度の高い音質を得ると共に、ワイヤーを極力少なくすることで配線による影響を低減しています。

内部構造には、業務用とでのサービス性を重視し、回路基板をプラグインユニット化を採用しています。また、使用頻度の高いマスターボリュームやセレクタースイッチなども基板ごと取り外して交換できるように配慮されています。

JP-V1000の増幅回路は、ヘッドホンアンプを除く全てが同一の基本構成となっており、出力段をA級シングル動作としているため、SEPP回路にみられるクロスオーバー歪が皆無であるなど多くの特徴を持っています。
特にPhonoイコライザー回路は±75Vの高電圧動作を採用することで裸ゲイン90dB以上を実現しています。また、50dB(1kHz)に及ぶ負帰還によって最大400mV(RMS)という大きなダイナミックレンジと超低歪率を得ています。
SEAアンプは±35V動作となっており、回路方式のメリットを生かすため新設計のパーマロイシールドのハイリニア・コイルを組み合わせ、リニアリティを向上しています。

入力セレクターは独立した基板に取り付けられており、取り外して交換が可能です。
また、PhonoのLとRのウェハーを別にして間にシールド板を入れることで信号の飛びつきやクロストークの増大などを防いでいます。

入力端子基板と回路基板の接続には新開発のフレキシブル・ワイヤーを採用しています。
このフレキシブル・ワイヤーはポリイミド耐熱性シートをベースとした5層構造となっており、良好なシールド効果を持ちつつ、基板のチェックや取り外しが行えるようになっています。

ボリュームには4連マスター・トリミングボリュームを採用しています。
このボリュームはアッテネーターとボリュームの長所を兼備した、連動誤差が極度に少ない22点クリック付き315度広角回転ボリュームで、左に回しきった3ノッチは10dBステップで正確に切り換わるアッテネーター、それ以上は超精密ボリュームとなっています。
このボリュームでは小音量時の連動誤差が少なく、通常の音量ではアッテネーターと違って段階的に音量が変化するという不便もありません。さらにクリック付きなため、同音量の正確な再現性を備えています。
また、他の操作パーツと同様にプラグイン基板にマウントしたことでサービス製も高めています。

4chのレベルを各々単独にアジャストできるサブ・レベル・ボリュームを搭載しています。

電源部には2.9kg大型トロイダルトランスを採用しており、±75V、±35V、±25Vの3系統の定電圧回路により全回路に安定な電源を供給しています。

可聴周波数を7帯域に分割したビクター独自のSEA回路を4系統搭載しています。
中心周波数は7個所で、2重ボリュームと独立ON-OFFスイッチでフロントとバックチャンネルを別々に調整することができ、さらにディフィートする事も可能です。

4チャンネルの位相チェックやレベル合わせに利用できるピンクノイズ発生回路を搭載しています。
フロント・バックとレフト・ライトの位相切換が独立しており、4つのどのチャンネル間でも位相チェックができます。

4chに対応したレベルメーターを搭載しています。
このメーターは磁気回路のリニアリティが良い中央部分だけを利用した狭角度動作タイプで、指針が平衡移動する伏状となっています。また、このメーターはマスターボリュームに関係なく、入力レベルをそのまま示す構造となっています。

モニター用のヘッドホン端子を搭載しています。
また、ヘッドホン用にマスターボリュームとは独立して動作するヘッドホンレベルコントロールを搭載しています。

ボディの剛性を高め、安定したラックマウントを実現するため、キャストアルミ製のサイドフレームを採用しています。
マウントサイズはBTS標準のほか、注文によってRCAタイプへの変更も可能となっています。

電源は100V、117V、220V、240Vのユニバーサルシステムとなっており、内部のコネクションを変えるだけで海外での使用も可能です。

機種の定格
型式 4chコントロールアンプ
入力感度 Phono1/2/3、MIC:2mV(Phono1を除きレベルADJ装備)
Aux1/2:200mV(レベルADJ装備)
Tuner、Tape1/2 PB、MTX-A/B in:200mV
入力インピーダンス Phono1:33kΩ、47kΩ、100kΩ/0、100pF、330pF
Phono2/3:33kΩ、47kΩ、100kΩ
Aux1/2:50kΩ
Tuner、Tape1/2 PB、MTX-A/B:100kΩ
MIC:10kΩ
最大許容入力(RMS) Phono1/2/3:400V(1kHz)
MIC:400mV~2V(1kHz)
定格出力 Out1/2:1V
Tape rec 1/2、MTX out A/B:200mV
出力インピーダンス Out1/2:500Ω
Tape rec out:500Ω(Phono1/2/3、レベルADJ:Normal)
全高調波歪率 0.02%(1kHz、定格出力時)
SN比 Phono1/2/3:65dB
Tuner、Aux、Tape1/2 PB、MTX A/B in:85dB
周波数特性 Phono1/2/3:RIAA偏差 ±0.3dB(20Hz~20kHz)
Tuner、Aux1/2、Tape1/2 PB、MTX A/B:10Hz~50kHz +0 -0.5dB
SEAコントローラー 中心周波数:40、150、400、2.4k、6k、15kHz
可変範囲:±12dB
ラウドネス(Volume -30dB) +8dB(100Hz)、+5dB(10kHz)
ミューティング -20dB
フィルター サブソニック:18Hz、-12dB/oct
ハイカット:9kHz、-12dB/oct
ヘッドホン端子 8Ω~2000Ω
レベルコントロール付き
メーター(入力レベル表示) メーター感度:0、-10、-20dB、3段階切換式
使用半導体 トランジスタ:150個
FET:8個
ダイオード:26個
消費電力 61W(電気用品取締法)
外形寸法 幅478x高さ162.5x奥行488mm
重量 18.0kg
別売 システム・ラック LUC-1000M(受注生産品)