VICTOR AX-Z911
¥89,800(1988年頃)
解説
デジタルピュアA回路を搭載したプリメインアンプ。
単にD/Aコンバーターを内蔵しただけでなく、もっと根本的なクオリティを見直すため、増幅部の純A級動作に着目し、純Aクラス動作を実現することでデジタルソースへの対応を図っています。
純Aクラス動作は、Bクラス動作のように信号合成をしないため、原理的にスイッチング歪やクロスオーバー歪が発生しません。しかし、純Aクラス動作はフルパワー時に必要な出力電流を常に一定にして流し続けるため、巨大な電源が必要で、しかも発熱量が高く、効率が悪いという問題点がありました。
これらの問題を解決するため、AX-Z911ではデジタルピュアA信号予知回路を搭載しており、入力されたデジタル信号の大きさをいち早く判定し、それにみあう電源電圧を、必要時のみアンプに供給することで、無駄な電力消費をせずに、高効率に純Aクラス動作をさせています。
D/Aコンバーター部には4倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターを採用しています。
オーディオ部と、ノイズ源となるデジタル部や電源部を遮断するため、デジタル信号処理部をプレートでシールドした上、大型ヒートシンクを境に基板ごとアナログ信号処理部とセパレートしています。
さらに、3.2mm厚のトッププレートと1.6mm厚のボトムプレートを採用し、構造や材質からの干渉による悪影響を抑えています。
回路内での伝送ラインの徹底的な短距離かと接点の削減を行っており、リレーと電子スイッチを駆使して入力信号の引き回しを押さえ、スピーカー端子も1系統としています。
また、デジタル信号をD/Aコンバーター直前までDACダイレクトスイッチをオンにすると、配線長がわずか0.5mとなり、接点数も一つだけとなるなど、可能な限りシンプル化を図っています。
アナログソース再生時に、自動的にデジタル系クロック動作を停止させ、デジタルノイズの影響を抑えます。
SN比に優れた2点支持方式の伝道ボリュームを採用しています。
MCヘッドアンプを内蔵してます。
リモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | デジタルベーシックアンプ |
<総合特性(CD、Line1、2、DAT1/Tape1、Tape2/DAT2)> | |
定格出力 | 120W+120W(6Ω、1kHz、歪率0.0007%) 110W+110W(6Ω、20Hz~20kHz、歪率0.0035%) |
全高調波歪率 | 0.0035%(8Ω、20Hz~20kHz、定格出力時) |
出力帯域幅 | 7Hz~60kHz(8Ω、両ch動作、歪率0.02%) |
周波数特性 | DC~200kHz +0 -3dB |
ダンピングファクター | 200(1kHz、8Ω) |
入力感度/インピーダンス(1kHz) | 400mV/30kΩ |
SN比 | 86dB(EIAJ) 112dB(IHFショートサーキット) |
バス・コントロール(スーパーバス) | 0~+5dB(50Hz、Volume -30dB) |
PhonoRIAA偏差 | MM、MC:20Hz~20kHz ±0.2dB |
<D/Aコンバーター部> | |
対応サンプリング周波数 | 32kHz、44.1kHz、48kHz(自動切換) |
全高調波歪率 | 0.0035%(1kHz、EIAJ) |
SN比 | 102dB(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 97dB(EIAJ) |
入力 | Digital1(オプティカル):-23~-14dBm Digital2、DAT Play(コアキシャル):0.5Vp-p/75Ω |
出力 | DAT Rec(コアキシャル):0.5Vp-p/75Ω |
<総合> | |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
電源コンセント | 電源スイッチ非連動:2系統(最大200W) |
消費電力(電気用品取締法) | 200W |
外形寸法 | 幅435x高さ166x奥行442mm |
重量 | 19.0kg |
付属 | リモコン RM-SA911 |