VICTOR BLA-305
¥35,500(1台、1971年頃)
解説
BLA-405と共に開発されたKPシリーズのスピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットのコーン紙には新開発のKP-3を採用しています。この振動板は新繊維とバキュームプレス方式による特殊材料加工法によって製造されたもので、繊維の結びつきが密でヤング率が高いという特徴を持ってます。また、エッジには両面にダンプ塗料を塗られています。
磁気回路には120φフェライトマグネットを採用しています。さらに、ボイスコイルには4層巻ボイスコイルを採用しており、重低音の再現に伴うトランジェントの悪化を排除しています。
中域にはウーファーと同じKP-3を用いた12cmコーン型スコーカーを搭載しています。
高域には6セルのマルチセラーホーン型トゥイーターを搭載しています。
振動板の材質にはデュポン社製のマイラー振動板が採用されています。
エンクロージャーのフロントバッフルと裏板には針葉樹を採用しています。針葉樹は材質中に粗と密の部分があり、板目方向と横目方向では音の伝播速度が異なるという性質を持っています。そこで、針葉樹を7層合板とすることで速度の違いを補正し、さらに響棒(スプルース材)と呼ばれる伝播棒を組み合わせることで音楽性を改善しています。
また、内部の吸音材には、複雑な繊維素を持つ動物性繊維(羊毛55%)と化学繊維(エステル45%)を特殊加工した新開発の吸音材を採用することで吸音率を高めています。
マルチアンプ用の2ch/3ch端子を搭載しています。
前面にレベルコントロールを搭載しており、トゥイーターとスコーカーをそれぞれ調整できます。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:12cmコーン型 高域用:ホーン型 |
インピーダンス | 8Ω |
定格入力 | 25W |
最大入力 | 50W |
出力音圧レベル | 98dB/W |
周波数特性 | 25Hz~20kHz |
最低共振周波数 | 45Hz |
歪率 | 0.5%(100Hz) |
クロスオーバー周波数 | 800Hz、8kHz |
外形寸法 | 幅355x高さ610x奥行320mm |
重量 | 19kg |