オーディオの足跡

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LS-101の画像
 解説 

高忠実な音楽性の再現を目標に開発されたブックシェルフ型スピーカーシステム。

低域には25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットには中高域における周波数特性の改善を図るため、カナダ産クラフトパルプを素材にしたコーン紙に酸化チタンをコーティングした振動板を採用しており、優れた過渡特性を得ています。そして、この振動板は繊維の方向性の無いウレタンエッジによって支えることで、低域での振幅歪やエッジの逆共振による過渡特性の乱れを追放しています。
また、磁気回路には直径120mmのマグネットと16mmのストロークを持つロングボイスコイルを採用しており、大振幅時にもボイスコイルが磁気回路から外れることなく、歪の無い音楽再生を可能にしています。
チャンバーには厚手の布を基板とした無共振チャンバーを採用しており、高域における異常共振を抑えつつ低域での大振幅時の強度を持たせています。また、ポールピースにはショートリングを使用しており、ウーファーがインピーダンス上昇を始める500Hz付近以上の歪を追放しています。

中域には複合構造を用いた12cm特殊コーン型スコーカーを搭載しています。
コーン紙にはCFパルプを基材として軽くて丈夫な特殊製法を採用しています。この製法では従来のプレス方式よりも金型のクリアランス(間隙)を大きく取り、コーン紙に掛かるプレス圧を小さくして軽くて丈夫なコーン紙を完成しています。また、ドーム部は低域での強度及び高域での音の発散という理想の特性を求め、厚手の布にゴムを3回コーティングし、低域での振幅に対してドーム変形が無く、しかも高域の諸特性に優れたものを採用することで、200Hz~10,000Hzまで広帯域な特性を得ています。
スコーカーのダンパーにも再検討が加えられており、振幅に対して十分な強度を保ちつつ、ダンパーの共振周波数を高い方に移動させるため、ダンパーの形状をエッジに採用されているようなS字型とし、かつダンパー幅を小さくしています。
ドーム部分の空気室は低域での振幅時にコンプライアンス成分として働き、低域歪の原因となってしまいます。これを防ぐため、ポールピースには10mmの孔を設けドーム部分で発生したコンプライアンス成分をマグネットの裏へ逃がしています。
フレーム部はダイキャスト仕上げとなっています。

高域には5cmコーン型トゥイーターを搭載しています。
このユニットでは、コーン紙のネック部分の角度を小さくすることで再生周波数の高域限界を上げると共にコーン紙の自重を0.1gと小さくしています。また、ダンパーを取り外してボイスコイルとコーン紙のネックの距離を極力縮めることにより、立ち上がり特性に優れ、切れ味の鋭い高能率トゥイーターを実現しています。
フレームにはダイキャストフレームが採用されており、フレームの共振や音のカブリを追放しています。

ネットワーク部は、ウーファーに直列に入るコイルに3mHで0.40Ωと直流抵抗の少ない大型フェライトコアのコイルを採用し、スコーカーと直列に入るコンデンサーには20μFの大型メタライズドペーパーコンデンサーを採用しています。ロスの少ないコイルはダンピングの向上に、歪特性の良い大型コンデンサーは切れ味の良い張りのある音楽再生に効果を発揮しています。

エンクロージャーは、バッフル板、裏板、側板、天地板の全てに単板貼りランバーコアを採用しています。芯材のランバーコアと両側板の単板が互いの物性の長所を生かし、ヤング率の高い振動減衰率に優れたエンクロージャーを形成しています。
また内部の補強については、むやみに補強材を増やすのではなく、エンクロージャーの共振Qを低くとるように設計することで不快な箱鳴りを排除するようにしています。具体的には、天板にフレキシブルボードを設け、バッフル板の裏面には補強棒を私、裏板にはウーファーのヌキ板を貼り付ける補強手段が使用されています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
ユニット 低域用:25cmコーン型
中域用:12cm複合型
高域用:5cmコーン型
周波数特性 35Hz~20kHz
最大入力 60W
出力音圧レベル 91.5dB/W/m
クロスオーバー周波数 700Hz、5kHz
レベルコントロール 連続可変型
外形寸法 幅330x高さ600x奥行300mm
重量 16kg