KENWOOD KX-880GR
¥69,800(1987年頃)
解説
独自の定電流駆動回路SuperTLLEやNewDBSを搭載したステレオカセットデッキ。
回転系を特に重視しており、キャプスタンの径を太くすると同時に新開発の大口径ローターモーターを搭載してキャプスタンをダイレクトに駆動することで、テープパスを安定したものとしています。
またリール駆動用には低トルクリップルモーターを採用し、トルクリップルを従来の1/2まで抑えています。
この2つの大型モーターと高剛性メカニズムにより、ワウフラッターを低減しています。
CDのようなレベルの高く、高域の伸びたソースを、高品質に録音できるようにするため、NewDBS(ダイナミック・バイアス・システム)回路を採用しています。
NewDBS回路はレックアンプの出力に新たなアンプを追加して検出回路の非直線性を排除し、レックアンプの特性の良さを生かして記録能力を大幅に改善しています。
メカ部は、カセットハーフガイド、リファレンスガイドを含めた化粧版部を亜鉛ダイキャストで一体成型し強固にマウントしています。
さらにこの亜鉛ダイキャスト化粧版を本体シャーシにダイレクトに取り付ける事によりメカニズムの固定強度を向上しています。
また、メカ本体をシンプル化し、ヘッドを据えつけるヘッドベースにより剛性の高い金属を使用することで、より静音化がはかられています。
CDなどのデジタルソースの広いダイナミックレンジを丸ごと納めると同時に、歪の少ない澄んだ音を録音するため、ケンウッド独自の定電流駆動方式のスーパーTLLE(ツインループ・リニアエキサイター)を搭載しています。
ヘッドには磁気飽和の少ない大型アモルファスヘッドを採用しています。
コアが大きいため強力な磁界を発生できると同時に、テープのヘッドタッチを改善し、さらに巻線に無酸素銅を使用することで伝送特性を改善しています。
テープの能力を引き出すためバイアス&レベルキャリブレーションを搭載しています。
±2電源回路を採用しています。
専用ICと新設計の回路により動特性を高めたニュードルビーシステムを搭載しています。
多彩な選曲機能を頼めるNewDPSSを搭載しています。
-36dBまで表示するワイドレンジ16ポイントFLピークホールドレベルメーターやテープ走行量と残量がわかるリニアテープカウンターを搭載しています。
L/R独立のプリセットボリュームと、録音マスターボリュームを搭載しています。
オートテープセレクター、MPXフィルター、ヘッドホンレベルボリュームを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 録音・再生:アモルファスアロイヘッド 消去:ダブルギャップフェライトヘッド |
モーター | キャプスタン駆動:FGサーボDDモーター リール駆動:DCモーター メカ駆動:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.04%(EIAJ) 0.025% (WRMS) |
早巻時間 | 約70秒(C-60テープ) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18000Hz ±3dB クロームテープ:20Hz~19000Hz ±3dB メタルテープ:20Hz~22000Hz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.8%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:74dB Dolby B on:67dB Dolby NR off:59dB |
入力端子 | ライン:77.5mV/50kΩ |
出力端子 | ライン:490mv/3kΩ ヘッドホン:0.85mW/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 23W(電気用品取締法) |
外形寸法 | 幅440x高さ115.5x奥行322mm |
重量 | 6.1kg |