KENWOOD KX-1100HX
¥79,800(1988年頃)
解説
アモルファスコンビネーションヘッドを採用した3ヘッドカセットデッキ。
録音ヘッド駆動能力が非常に優れているスーパーTLLEを搭載しています。
逆起電圧の少ない3ヘッドとのベストマッチングにより、低歪率で位相特性に優れた音質でレコーディングできます。
メカニズム部には独自の高剛性メカニズムを採用しています。
このメカニズムでは、カセットハーフガイドやリファレンスガイドなどの化粧板部を亜鉛ダイキャストで一体成形して強固にマウントしています。さらにこの亜鉛ダイキャスト化粧板を本体シャーシにダイレクトに取り付けることによってメカニズムの固定強度を向上させています。
マグネチック・スラスト・アブソーバーを採用しており、マグネットによりキャプスタンを一定方向に引き寄せることでテープと録音・再生ヘッドとの安定したヘッドタッチを実現しています。これによりジッターの発生を抑えてクリアな音を実現しています。
ダブルギャップ・フェライト・ウィズ・センダストガード消去ヘッドを採用しています。
従来のフェライトヘッドでは、フェライトの表面にある穴が無数の微小ヘッドを形成することで新たな磁界を発生させ、テープ上の残留磁束を減磁させていました。ダブルギャップ・フェライト・ウィズ・センダストガードヘッドではフェライトコア表面にセンダストを張りつけることで接触減磁効果を低減し、高域特性の劣化を防いでいます。
左右独立レックキャリブレーションとバイアスキャリブレーションを搭載しています。
400Hzと10kHzの信号を記録して感度とバイアスを左右独立で調整できる本格キャリブレーションシステムを採用しています。また、調整が終わるとテープは自動的にスタートポジションまで戻り、録音に備えます。
録音・再生ヘッドには無酸素銅巻線を採用したニューアモルファスコンビネーションヘッドを採用しています。
ドルビーHXプロシステムを搭載しています。
この回路では、高域のバイアス量を自動的に調節することでテープの記録能力を向上させています。
独自の回路によるニューダブルドルビーシステムを搭載しています。
クローズドループデュアルキャプスタン方式を採用しており、テープテンションを一定に保つことで良好なヘッドタッチを実現しています。
亜鉛ダイキャスト・メカマウントを採用しています。
電源部には高精度パーツを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
トラック形式 | ステレオ |
録音方式 | 交流バイアス(105kHz) |
ヘッド | 再生:アモルファスアロイヘッド(コンビネーション) 録音:アモルファスアロイヘッド(コンビネーション) 消去:ダブルギャップフェライトウィズセンダストガードヘッド |
モーター | キャプスタン駆動:FGサーボDDモーター リール駆動:DCモーター メカ駆動:DCモーター |
ワウ・フラッター | ±0.04%(EIAJ) 0.025% (WRMS) |
早巻時間 | 約80秒(C-60テープ) |
周波数特性 | ノーマルテープ:20Hz~18kHz ±3dB クロームテープ:20Hz~19kHz ±3dB メタルテープ:20Hz~22kHz ±3dB |
歪率 | メタルテープ:0.6%(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | EIAJ メタルテープ:57dB Dolby C on:75dB Dolby B on:68dB Dolby NR off:60dB |
入力端子 | ライン:77.5mV/50kΩ マイク:0.3mV/600Ω |
出力端子 | ライン:490mV/2kΩ ヘッドホン:0.85mW/8Ω |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 35W(電気用品取締法) |
最大外形寸法 | 幅440x高さ111x奥行322mm |
重量 | 6.3kg |