KENWOOD DP-5060
¥45,000(1995年頃)
解説
D.R.I.V.E.システムを搭載することで微小信号の再現性を改善したCDプレイヤー。
音楽信号の小レベルから静寂に近い微小信号のデジタル処理を改善するため、独自の信号処理技術により開発されたD.R.I.V.E.(Dynamic
Resolution Intensive Vector Enhancement)システムを搭載しています。
従来のデジタルフィルターは、元のデジタル信号に含まれる可聴帯域外の不要成分を除去することを目的とし、演算の過程で小レベル異常の信号を滑らかに20ビットの分解能で出力することができますが、小レベル未満の領域では充分な効果が得られず、元の16ビット信号に近似した出力しか得られませんでした。
これを改善するため、D.R.I.V.E.システムでは、適応型フィルター技術の実時間処理(全ての音楽信号を瞬時に処理していく手法)により、微小レベルでの再現性やアタック音など、パルス状の音に対する応答性の向上を図っています。
D.R.I.V.E.プロセッサーは、8倍オーバーサンプリング&20倍デジタルフィルターと20ビットデータインプットD/Aコンバーターとの間に設置されており、デジタルフィルターからの出力が16ビット精度しか得られないレベル域でも常に20ビット精度出力となるよう処理を行っています。
内部は、複数個の異なる可聴周波数帯域内の遮断周波数をもつローパスフィルターと遅延器で構成されており、遅延器はローパスフィルターで発生する遅延量を合わせる役目をします。デジタルフィルターからのデータは入力端子から分配され、各遅延器に入力され、さらに各LPFに入力されます。次にセレクターコントロール回路により入力されたデータの周波数成分およびレベルを常時検出し、最適なLPFの出力を選択しています。
これによりあらゆる状況で常に20ビット精度のデータによるD/Aコンバーター駆動が可能となっています。
マスタークロックにはアドバンスド・ハイプレシジョンマスタークロックを採用しています。
この発振回路にはより高純度なクロック信号を得るためにディスクリート回路が用いられています。また、この回路はSource
Follower回路が基本となっており、ゲインが1以下という特徴を持つため、外来ノイズを増幅することなく正確な基準信号を発振しています。
サーボをデジタル化したデジタルサーボを搭載しています。
これによりより正確なピックアップを可能としています。
デジタル回路とアナログ回路で電源トランスの別巻線を使用しており、相互干渉を防止しています。
RF増幅回路を内蔵したOEICピックアップを採用しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
読取り方式 | 非接触光学式読取り(半導体レーザー) |
回転数 | 200rpm~500rpm(CLV) |
周波数特性 | 4Hz~20kHz(EIAJ) |
SN比 | 103dB以上(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 99dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.002%以下(EIAJ、1kHz) |
チャンネルセパレーション | 99B以上(EIAJ、1kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下(±0.001%W Peak、EIAJ) |
出力レベル/インピーダンス | 可変出力:0V~2.0V/0.4kΩ |
ヘッドホン出力 | 20mW(32Ω) |
オプティカルデジタル出力 | -15dBm~-21dBm(発光波長660nm) |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力(電気用品取締法) | 11W |
外形寸法 | 幅440x高さ127x奥行270mm |
重量 | 4.3kg |
付属 | リモコン |