TRIO DP-1100
¥149,800(1983年頃)
解説
D/Aコンバーターの強化と、オプティマム・サーボコントロールを採用し、デジタルソースの特長を活かすオーディオ機器として開発されたCDプレイヤー。
D/Aコンバーターには、16ビット積分型のD/Aコンバーターを採用しています。
このD/Aコンバーターでは一定の時間で正しくデータを読み取る作業が必要ですが、積分器を充実する定電流値が変化しては正しい出力が得られないため、トリオでは高精度積分用定電流回路を開発し、D/Aコンバーターの積分回路に安定した電流を供給しています。
これにより、デジタル信号データに忠実なオーディオ信号を再生することに成功しています。
D/Aコンバーターとそれに続くアナログ部の音質向上のため、トリオのアンプ技術、チューナー技術で得た音質ノウハウを投入しています。
まずデジタル信号処理部とアナログ信号処理部のそれぞれに独立した電源供給回路を採用し、互いの干渉を排除してオーディオ出力信号に不要な信号の混入を防止しています。
さらにRAM波への変換回路にはLch、Rch専用の高精度アナログスイッチICを採用してセパレーションの向上を計っており、相互干渉による音の濁りを防いでいます。
トレース能力を引き上げるサーボコントロールには、1周を120分割して傷の場所を検知するというオプティマム・サーボコントロールを搭載しています。
ディスクに傷や埃があると自動的に検知し、傷の手前からサーボ量を適切に制御し、障害部分を通過すると元のサーボ量に戻るという働きをしています。
さらにピックアップのエラー状況を自動的にカウントし、その状態に応じて常にピックアップ信号を演算する演算器を制御し、常に安定して音楽情報を検出しています。
ピックアップ部には、半導体レーザーから発射したレーザー光線を平行光線に直すコリメートレンズとレーザー光線を収束し、ディスクの信号面に焦点を合わせる対物レンズに、収差の少ない高精度レンズを採用しています。
また、フォーカスエラー検出には多反射型の臨界角検出方式、トラッキングエラー検出には4分割ディテクターによる時間差検出方式を採用して、正確なサーボコントロール信号を得ているため、応答特性に優れた2次元駆動アクチュエーター方式の高精度フォーカス/トラッキング調整機構によって、レーザー光線は完全制御され、微小なピット列上を正確にトレースします。
回転サーボシステムやピックアップ送り機構などのメカニズムシステムは、コンピューターでコントロールしており、選曲システムの応答速度を一段と高めています。
操作状態を一目でチェックできる大型集中ディスプレイを採用しています。
応答性に優れた性能を示す高精度メカニズムシステムや、サーボコントロールの採用により、曲の頭出しが瞬間にできる多機能DPSS(ダイレクト・プログラム・サーチ・システム)を実現しています。
0~9の選曲キー操作により、演奏順序を自由に設定しながら16曲までプログラムメモリーが可能です。
リモコンが付属しています。
シルバーモデルとブラックモデルがありました。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
ピックアップ | 半導体レーザーピックアップ |
標本化周波数 | 44.1kHz |
量子化ビット数 | 16 |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
周波数特性 | 2Hz~20kHz ±0.5dB |
ダイナミックレンジ | 95dB以上 |
SN比 | 95dB以上 |
高調波歪率 | 0.0015%(1kHz) |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(1kHz) |
ワウ・フラッター | 水晶発振精度(測定限界以下) |
出力レベル/インピーダンス | 2V/600Ω |
DPSS機能 | トラックナンバー/インデックスナンバーとも99まで |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | PLAY時:23W |
外形寸法 | 幅440x高さ88x奥行310mm |
重量 | 6.8kg |
付属:リモコン | |
リモコン操作部寸法 | 縦140x横54x厚さ12mm |