KENWOOD KA-969
¥89,800(1987年頃)
解説
システムコンポーネントHDシリーズのプリメインアンプ。
D/Aコンバーターを内蔵しており、パワーアンプ直前でD/A変換を行う事で音質劣化を抑えています。
D/Aコンバーターには左右独立のラダーネットワーク型を搭載しています。この方式では構成上でグリッジの発生が無く、従来不可欠とされていたでグリッチャー回路による音質劣化がありません。また、左右独立構成としたことで左右の位相差ゼロで変換する事ができ、高いチャンネルセパレーションを得ています。
ローパスフィルターには7次バターワースフィルターを採用しており、信号経路に能動素子を持たないFDNR構成とする事でS/N比を改善しています。
デジタル入力にはDINコネクターを採用しています。
周波数の高い信号にはそれぞれシールド線を使用し、さらに全ての信号線のまわりをシールドした二重シールド構造を採用しており、他機器への影響を防いだ設計となっています。
パワーアンプ部にはVIG・DLD回路を搭載しています。
VIG回路は増幅回路と電源の間に設けられた回路で、アンプ側から見るとインピーダンスが低く、電源側から見るとインピーダンスが高く設計されています。これにより電源からの直流エネルギーだけを通してノイズを通しにくくし、電源のリップルや信号成分、混変調歪成分を排除しています。
レックアウトセレクターを採用しており、Tape AとBを独立し、別々のソースをそれぞれ同時に録音できるIDRSを実現しています。
電子切換方式のインプットセレクターを採用しており、高ダイナミックレンジ、低歪を実現しています。
スーパーバス回路を搭載しており、超低域だけを6dB/octでブーストできます。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
定格出力 | 110W+110W(6Ω、20Hz~20kHz、0.007%) |
実用最大出力 | 170W+170W(6Ω、EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.001%(1kHz、CD-Speaker、100W、8Ω) |
S/N比(入力ショート) | Phono:86dB CD、Tuner、Aux、Tape play:100dB |
トーンコントロール | Super Bass:+5dB(30Hz) Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
<D/Aコンバーター部> | |
デジタル接続 | 8ピンタイプ |
チャンネルセパレーション | 90dB以上(EIAJ) |
<総合> | |
定格消費電力 | 250W |
最大外形寸法 | 幅340x高さ129x奥行370mm |
重量 | 8.8kg |