TRIO KA-800
¥64,800(1980年頃)
解説
Σドライブを搭載したプリメインアンプ。
Σドライブ方式では、アンプの筐体内で完結していた従来のNFBの考え方をスピーカー側の入力端子まで拡大し、スピーカーケーブルもアンプの内部配線の一つとしてとらえ、スピーカーの入力端子での性能を保証しています。
まず、スピーカーの+側とパワーアンプ部の帰還ポイントを結ぶ独自のΣケーブルを設置し、スピーカーの磁気回路が引き起こす逆起歪をはじめ、様々な種類の歪を、スピーカーの入力端子で発生させないように制御しています。
さらに、−側のケーブルもアースポイントと電源ループを分離することで、一点アースの考え方をスピーカーの入力端子とアースポイントの電位差を全くなくしています。
イコライザーアンプ部にはMM/MC切換方式を採用しています。MM35.6dB、MC57.6dBとゲインを切換えているため、入力ピンプラグを差し換えなくても様々なカートリッジを気軽に使用できます。
回路にはローノイズICを使用しています。
パワーアンプ部は可聴帯域全体にわたって均一にNFBをかけるニューハイスピード方式を採用しています。また、Tuner(AUX)端子からSP端子まで、NFループ内を含む全ての信号系に、低域カット用のコンデンサーを持たないストレートDCアンプを実現しています。
トーンコントロール部にはパワーアンプを利用したメイントーン方式を採用しています。
信号経路が単純化できるため、トーンコントロールを使用している時にも音質が改善されています。
ボリューム位置をプリセットできるフェーダー方式を採用しており、プリセットレベル用ツマミで常用する音量を決めておけば、フェーダーに軽くタッチするだけでなめらかにフェードイン・フェードアウトができます。
まず、パワースイッチをONにすると、セッティングしたボリュームの位置まで音量が上がり、フェーダーが青く点灯します。再びフェーダーにタッチすると、音量はゼロに下がりイルミネーションは白く変ります。
タッチしてフェード動作が終了するまでにかかる時間は約1秒で、音をだしている状態で音量を変えたいときには、プリセット用ツマミで調整できます。
機種の定格
型式 | Σドライブアンプ | ||
定格出力(20Hz~20kHz、両ch動作) | 55W+55W(8Ω、Phono→sp out) | ||
全高調波歪率(20Hz~20kHz、8Ω) |
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混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | Tuner、AUX、Tape→sp out:0.009%(定格出力時、8Ω) | ||
周波数特性 | DC~350kHz -3dB(Tuner、AUX、Tape→sp out) | ||
ダンピングファクター(100Hz) | 100 | ||
入力感度/インピーダンス | Phono MM→sp out:2.5mV/47kΩ Phono MC→sp out:0.2mV/100Ω Tuner、AUX、Tape→sp out:150mV/47kΩ |
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SN比(IHF-A) | Phono MM→sp out:84dB Phono MC→sp out:64dB Tuner、AUX、Tape→sp out:105dB |
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トーンコントロール | Bass 400Hz:±7.5dB(100Hz) Treble 3kHz:±7.5dB(10kHz) |
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ラウドネスコントロール(Volume -30dB) | +10dB(100Hz) | ||
サブソニックフィルター(-3dB) | 18Hz、6dB/oct | ||
ライズタイム | 1μs(Tuner、AUX、Tape→sp out) | ||
スルーレート | ±100V/μs(Tuner、AUX、Tape→sp out) | ||
Phono最大許容入力 (Phono→Tape rec、1kHz、歪率0.005%) |
MM:200mV MC:10mV |
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PhonoRIAA偏差 | 30Hz~20kHz ±0.3dB | ||
出力レベル/インピーダンス | Tape rec(PIN):150mV/220Ω | ||
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
定格消費電力(電気用品取締法) | 160W | ||
電源コンセント | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
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外形寸法 | 幅440x高さ123x奥行375mm | ||
重量 | 8.5kg |