KENWOOD KA-7090R
¥69,800(1997年頃)
解説
TRIATRを採用したプリメインアンプ。
従来のAクラスアンプでは、長時間レベルで見ると理想的なAクラス動作をしていましたが、信号の変化の瞬間にはトランジスタ内部の温度が大幅に変化していました。この温度変化は、通常の温度検出器では検出できず、Aクラス動作のアンプでさえ、動作点を理想状態を保つのを困難としていました。
この問題を解決するため、TRAITR(Thermally Reactive Advanced Instantaneous
TRansistor)を独自で開発し、採用しています。
TRAITRは、温度検出・補正回路をパワートランジスタに内蔵しており、世界で始めてワンチップ化に成功した高速熱反応型トランジスタで、温度の検出・補正をトランジスタ内部で行う事により、優れた道特性を獲得し、音楽信号の強弱に対する追従性を高めています。
これにより、歪率が出力によって変動せず、実使用領域での裸特性の低歪化を実現しています。
クリーンなグランドラインを実現するため、静電結合防止構造を採用しています。
この構造では、放熱器をシャーシと電気的に結合させず、直接電源トランス側の基準グランドに結合させることで、汚れた信号を直接電源回路へ返しています。
これにより、静電結合電流がグランドラインに流れないため、クリーンなグランドラインを実現しています。
入力切換回路にはリレーによる切り替え回路を採用しています。
これにより、音質劣化を防ぐと共に、錆などによる接点の経年変化を防いでいます。
トーンコントロール回路などを使わない時にそれらの回路をバイパスするソースダイレクト回路を搭載しています。
金メッキ入力端子を採用しています。
リモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドアンプ |
定格出力(20Hz~20kHz、両ch動作) | 110W+110W(4Ω、THD 0.05%) 85+85W(8Ω、THD 0.05%) |
ダイナミックパワー | 280W(2Ω) 185W(4Ω) 120W(8Ω) |
全高調波歪率(8Ω、42.5W) | 0.025%(20Hz~20kHz) 0.005%(1kHz) |
ダンピングファクター | 250(50Hz) |
周波数特性 | Line(CD、MD、Tuner、AUX、Tape):5Hz~100kHz +0 -3dB |
イコライザー偏差 | 20Hz~20kHz ±0.3dB |
最大許容入力電圧(0.3%) | Phono MM:120mV Phono MC:10mV |
SN比(IHF-66) | Phono MM:88dB Phono MC:68dB Line(CD、MD、Tuner、AUX、Tape):105dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±10dB(10kHz) |
ラウドネスコントロール(Volume -30dB) | +6dB(100Hz)、+3dB(10kHz) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω Line(CD、MD、Tuner、AUX、Tape):200mV/47kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Tape Rec:200mV/1.5kΩ |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力(電気用品取締法) | 230W |
最大外形寸法 | 幅440x高さ147x奥行392mm |
重量 | 11.7kg |