Threshold T2G
¥990,000(1996年頃?)
解説
真のバランス増幅・伝送を目指して開発されたラインレベルアンプ。
入力から内部回路、出力まで、左右チャンネルの正、負信号を全く特性の等しい4つのアンプでそれぞれ別個に増幅する完全バランス伝送を実現しており、これにより高いコモンモードノイズ・リジェクション能力を獲得しています。
左右チャンネル正・負専用のゲイン回路合計4系統は、8個のJ-FETをトリプル・カスコード接続によるコンプリメンタリー構成とし、フィードバックを抑えて高速な信号処理を可能にしています。
こうして構成された、素子のマッチングや配置まで留意した精密な回路を、フル・カスコード接続の出力段に直結しており、しかも、多段にわたってアクティブ・レギュレーションを施す事でノイズ要因の影響を防いでいます。
音量コントロールには、正・負完全に均一な精度を備えた音量調整方式を目指し、R2R精密抵抗ラダー・ネットワークによる12ビット60ステップのデジタル制御アナログ方式を採用しています。
μプロセッサーが音量変化を監視し、許容誤差の極めて小さい抵抗ラダーをリレーで切り換える方式により、左右チャンネル誤差をわずか0.01dBとし、聴感上問題ない値を達成しています。
音量調整をはじめとするT2Gの動作全体をマイクロプロセッサーが監視・制御した構成となっています。
このマイクロプロセッサーは、プログラマブル・ロジック・デバイス2個にサポートされており、高精度抵抗リレーに指令を送っています。
これにより、6系統アンバランス入力、2系統バランス入力の切り換えから入力ソース名の表示、音量レベル、ミュート等のステイタス表示至る様々な機能を総合的に管理しています。
電源部は別シャーシに収納されており、本体とのアイソレーションを図っています。この電源部には150Wトロイダルトランスと50,000μFキャパシターで構成されています。
さらに、本体側にも10,000μF電源キャパシターとこれをバイパスする小型キャパシターを2つ設け、かつ左右チャンネルを別個にアクティブ・レギュレートし相互干渉を抑えています。
また、デジタル/アナログ部は、出来るだけ相互干渉を抑えるよう、それぞれ別個にレギュレーションしています。
各基板は配線材を介さず金メッキ・ピンアッセンブリでダイレクトに接続しており、伝送特性を総合的に改善しています。
マイクロプロセッサー制御コンセプトにより、フロントパネルデザインは必要最小限のボタンとディスプレイのみのシンプルなデザインとなっています。
リモコンが付属しており、リスニングポジションでの操作が可能です。
機種の定格
型式 | ラインレベルアンプ |
入力インピーダンス | アンバランス:10kΩ バランス:20kΩ |
出力インピーダンス | アンバランス:25Ω バランス:50Ω |
最大出力レベル | 10V(THD 0.0008%、1kHz) |
ゲイン | 15dB |
歪率(THD) | 0.01%以下(アンバランス時、20Hz~20kHz) |
周波数特性 | DC~200kHz -1dB |
SN比 | 118dB以上 |
クロストーク | 90dB(20Hz~20kHz) |
入力端子 | アンバランス(6系統):カスタムメイドRCA金メッキ仕上げ バランス(2系統):ノイトリック製XLRコネクター |
出力端子 | アンバランス(2系統):カスタムメイドRCA金メッキ仕上げ バランス(2系統):ノイトリック製XLRコネクター |
レベルコントロール | 12ビット60ステップ・デジタル制御型アナログ方式 |
極性 | 非反転 |
電源ユニット | 150Wトロイダルトランス デジタル/アナログ部独立レギュレーション |
消費電力 | 16W |
外形寸法 | 本体:幅440x高さ95x奥行360mm 電源ユニット:幅220x高さ95x奥行320mm |
重量 | 本体:8kg 電源ユニット:5kg |
付属 | リモートコントローラー |