Technics SB-X5
¥49,500(1台、1977年11月発売)
解説
リニアフェイズ設計を採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には5kHzまで再生が可能な25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットは、ボイスコイルに耐熱性ポリアミド接着層とポリエステル絶縁層を採用することで180℃~200℃の耐熱温度を得ており、耐入力を高めています。また、フレームにはアルミダイキャストフレームを採用しています。
中域には9cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
エッジの形状や材質、ダンパーの材質に配慮を加えることで大振幅時のリニアリティを改善しています。また、アルミボビンと耐熱性ボイスコイルの採用によって耐入力を高めています。
フレームにはダイキャストフレームを採用しています。
高域には2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
このユニットの振動板には15μ厚の極薄チタンダイアフラムを採用しており、ピークの抑えて高域特性をスムーズにするとともにリニアフェイズに必要な広帯域を得ています。また、このダイアフラムは放熱効果を持っており、熱伝導の良好なアルミボビンや、耐熱性のあるポリアミド接着層、ポリエステル絶縁層などとあいまって180℃~200℃の耐熱温度が得られ、高耐入力を実現しています。
ミッドレンジとトゥイーターは、ストレート(コニカル)ホーンを介してバッフル面より後退して取り付けられています。
このホーン形状は、エクスポネンシャルホーンに比べて変化のなだらかな低域特性が得られており、ブックシェルフ型のリニアフェイズスピーカーシステムの実現を可能にしてます。また、このホーンによって低域特性が盛り上がっており、その分だけ低域を高いほうでカットすることで歪も減少しています。
また、トゥイーターは前面をネオプレンゴムでデッドニングすることで周波数特性の平坦化を図っています。
エンクロージャーにはリニアフェイズ設計が採用されており、音響中心を側面からみても一直線上に揃えるため、ウーファーとトゥイーターを前後にズラして配置しています。さらに、SB-X5内を音楽信号が通過する時間をネットワークで調整することで、放射された音波が耳に届くタイムラグを一定にしています。
外観はチェリー木目仕上げとなっており、フロントバッフルはつや消しシルバーメタリック仕上げとなっています。
また、ネットはダークブラウンカラーのものを採用しています。
ミッドレンジ、トゥイーターに連続可変型のアッテネーターを装備しています。
また、トゥイーターにはボイスコイルを過大入力から保護するサーマルリレーを装備しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:9cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数範囲 | 39Hz~20kHz -10dB |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧レベル | 89dB/W/m |
許容入力 | 75W(ピーク入力) 50W(DIN RMS) |
クロスオーバー周波数 | 1kHz、4.2kHz |
外形寸法 | 幅340x高さ610x奥行285mm ネット装着時:奥行326mm |
重量 | 19kg(ネット付) |